ラグビーリパブリック

デビュー戦から3戦連続トライ中。河瀬諒介[東京サンゴリアス]を進化させるチーム環境

2023.02.05

183センチ、89キロ。フィジカルの強さも武器にしたい。(撮影/松本かおり)



 サンゴリアスでのデビュー戦は2023年1月14日のコベルコ神戸スティーラーズ戦。
 後半29分にベンチからピッチに立った。

 早大時代のラストゲームは2021年12月26日の明大戦。大学選手権の準々決勝で15-20と敗れた。
 2022年の公式戦出場はないけれど、その1年は空白ではなかった。

「日々、日本代表をはじめ、トップ選手に囲まれているので」と話すのは東京サントリーサンゴリアスの河瀬諒介(FB/WTB)だ。

 2月5日におこなわれる、東芝ブレイブルーパス東京戦(秩父宮ラグビー場)にも背番号23で出場予定メンバー表に名を連ねる。
 ライバル対決でインパクトのあるパフォーマンスを出したい。

 第4節でリーグワンデビューを果たしてから3試合連続出場を果たしている。
 第5節の花園近鉄ライナーズ戦では先発出場の機会も得た。

「調子がいい」と話すコンディションは、初出場から3戦連続トライという結果を残したことからも伝わる。
 公式戦への出場こそなかったものの、府中でのトレーニング環境は成長できる要素の詰まった空間。ハイレベルな競争の日々が自身を高めた。

「まず、フィジカルの面で強くなったと思います。周囲とのコミュニケーションが、より具体的になった」
 出場機会を得られるようになった理由をそう話す。
 選手層が厚いチームだ。
「その中で大事なのは、少ないチャンスをものにすること」
 言葉通り、トライを重ねてバックスリーとしての信頼を高めている。

 デビュー戦のスティーラーズ戦のトライは、忠実なサポートプレーからWTB尾崎晟也のパスを受けてインゴールに入った。
 ピッチに入って4分強で決めたトライはファーストタッチ。「出場時間が短い中で取れたのは良かった」と振り返る。

 先発した第5節のライナーズ戦では、その日のチーム初トライを奪った。
 前半22分過ぎ、チャンスに幅広く動き、敵陣ゴール前のラックから出たボールをピッチ中央で受けた。
 ディフェンスのギャップを走り抜けた。

「トライをしたくて、呼び続けていました。最後にボールが回ってきた」と振り返るのは、第6節のダイナボアーズ戦だ。
 16フェーズに及ぶアタックの中で動き続け、コールし続けた。そしてラストパスを受け、タックラーを弾き飛ばす。インゴール左端に入った(後半41分)。

「パスが来たら、トライを取り切るつもりでした。ボールをもらう前にスペースも見えていました」
「内側の先輩たちがボールを回してくれるのでトライを取れています。もっと結果を出したい」とさらなる向上を誓う。

 自身の現在地を見つめて言う。
「フィジカルで負けないようにはなってきていますが、勝ってはいません。そこで相手を上回り、もっと前に出たい。そういう力をつけないと、この(サンゴリアスの)バックスリーの中では試合に出られない」

 すべてのプレーのレベルアップを誓う。「もっと(多くの局面に)顔を出さないと」と、運動量もスピードも高めたい。
「バックスリーのコミュニケーションをもっと密にしてプレーしたい」とチームで戦う意識も忘れない。

「まだリザーブからの出場が多いので、先発出場を増やせたらいいですね」と落ち着いて話す。
 デビュー戦からの連続トライが止まる時が来ても、進化の足は止めない。


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