ラグビーリパブリック

「その場にいたメンバーは全体で24名。不適切な行動をおこなったのは7名」。日野RDが会見

2023.02.04

 

 リーグワンD2の日野レッドドルフィンズ(東京都日野市/以下 日野RD)の部員らが昨年10月、11月に起こしていた飲食店での不祥事について、2月3日夕刻、日野RDとリーグワンが個別に会見(いずれもリモートで)をおこなった。日野RDは2月2日、自ら無期限活動停止を発表しており、4日に開催予定だった清水建設江東ブルーシャークス(以下 江東BS)との試合は急遽中止となっている。

 日野RDは志賀得一部長、田中勝利GMが会見に出席。昨年秋に合宿遠征先の別府市内で起きたことの事実関係と見解、無期限活動停止と、翌日の江東BS戦中止について話し、メディアの質問に応じた。

 チームは無期限の活動停止を決め(2月2日発表)、2月4日の公式戦が中止となった。騒動を起こした時点から、チームと選手たちの間にはどんなやりとりがあったのか。

 日野RDのメンバーが別府市内の飲食店を訪れたのは10月31日の深夜から11月1日にかかる時間帯とのこと。シーズン前の合宿中の出来事で、翌日1日はオフ予定、いわゆる中日(なかび)前夜の息抜きの会合であった。

 2月3日の会見で、日野RDは店内での問題行動として次の4点を認めていることを明らかにした。

・脱衣

・セクシャルハラスメント

・ボトル、グラスなどの破損

・他チームの名を語る

 このうち、同じリーグワンのD1に所属する三菱重工相模原の選手であると語った点については、店員との会話の中で話したもので、すぐに訂正したという。志賀部長はこの件に関わった者として「その場にいたメンバーは全体で24名。不適切な行動をおこなったのは7名(いずれも選手)。24名中、23名が選手、1名がスタッフ(通訳)」だったとしている。いずれも個々の選手名は公表されていない。

 事件後の部内では、選手に向けてどのような対応があったのか。

 3日の会見ではメディアから「弁護士や警察には口外しないよう、部員に対する指示があったのか」と、週刊誌報道の内容に関する確認があった。志賀部長はこれを否定した。

「合宿終了後に東京で部員を集めた。部員、スタッフに対し、社会においては大きな問題。ラグビー部の存続に関わる重大な行為だと、少し強めに伝えた。口外するなとか、そういった発言は一切していない」(志賀部長)

 店に対する弁済の費用を、その場にいたメンバー全員に支払わせた点について田中GMは「完全にプライベートの時間に起こしたこと。当人が責任を取るということで各人に支払いを求めた」と説明した。

 問題行動のあった7名の選手については、東京に戻った後に、それぞれの行為に応じてチーム内で処分を決め、個別に活動停止期間を設けた。その後、7選手のうち「半数くらい」(志賀部長)は、12月開幕のリーグワン公式戦に出場しているという。日野RDは4節終了時点で1勝3敗、6チーム中4位。

 期限を設けない活動停止と、それに伴う公式戦の中止に際しては、同チームの所属選手全体に影響が及ぶ。メディアからは、この件に関わっていないプロを含む選手たちへの補償について問われたが、明確な回答はなかった。

「活動停止については、無期限と今日決めたところ。今後は、選手一人ひとりがどう活動していくかをしっかり話し合いながら、先々の活動を決めていく。その結果、ファン、チームを支えてくださっている方の理解を得て、リーグワンと話して決定したい」(志賀部長)

 日野RDは、2020年3月にもインテグリティにかかる重大な不祥事があった。4年以上在籍していた外国人選手が禁止薬物使用容疑で逮捕、リーグ全体が試合を中止する事態となった。当時も現職にあった志賀部長は「リーグ全体としてインテグリティを強化していく中、結果としてこのような事件を起こしてしまった」。

 また、具体的なチーム内の啓発、教育については田中GMが回答、「今季もシーズン開始時に選手を集めてインテグリティへの意識向上を訴えていた。その後も機会をもってきたが、結果として防ぐことができなかった」と話した。