キャプテンとして2022年だけで10テストマッチを戦った。
2019年夏からチームを率いて3年強。昨秋のワールドカップ(以下、W杯)まで全身全霊を懸けて戦ったら空っぽになった。
サクラフィフティーンを率いてきたリーダー、プロップの南早紀が引退を決めた。
1月24日の夜、自身のTwitterで発表した。
燃え尽きたわけではない。戦うことに疲れたわけでも、ラグビーを嫌いになったわけでもない。
やり切った。もう一度走り出す気力が残っていなかった。
南は27歳。3歳の時、太宰府少年ラグビークラブに入った。
筑紫高校でもラグビー部に入部。日体大に進学し、2015年5月のカザフスタン戦で初キャップを獲得した。
通算キャップ獲得数は29。昨年W杯の最終戦、1番を背負って出場したイタリア戦が最後のテストマッチとなった。
W杯には2017年、2022年(RWC2021)に開催された大会に出場した。
2017年大会では3番として活躍。アイルランドやオーストラリアに健闘も敗戦。最終的な香港に勝っただけの11位(12チーム中)に終わり、「次のW杯でもう一度世界に挑もう」と決意した。
「そこまで全力で取り組んで、その後のことはその時の気持ちで決めようと考えていました」
その結果が、引退という決断だった。
ラグビーを愛したまま競技を離れる。
でも、これからもラグビーの傍にいることは変わらない。
スクラム時のように背中をピンと伸ばし、新しい人生を歩いていくだろう。