ラグビーリパブリック

スピアーズがコベルコ神戸に競り勝つ。ワイルドナイツは全勝キープ、イーグルスも勝点伸ばす。

2023.01.21

スティーラーズ戦でボールを手に力走するスピアーズのマルコム・マークス(Photo: Getty Images)


 ジャパンラグビーリーグワンのディビジョン1は第5節に入り、開幕から無敗(1試合引き分け)のクボタスピアーズ船橋・東京ベイは1月21日に東京・江戸川区陸上競技場でコベルコ神戸スティーラーズと対戦し、25-21で競り勝った。

 前半は両チームとも1トライずつ挙げ、10-7で折り返したスピアーズは後半開始早々、キックオフボールを手にしたWTB根塚洸雅が自陣深くから抜けて大きくゲインし、サポートも速く、すばやくリサイクルしてテンポよくつなぎ、WTBゲラード・ファンデンヒーファーがフィニッシャーとなった。
 51分(後半11分)にはHOマルコム・マークスのジャッカルでペナルティゴール(PG)のチャンスを得、SOバーナード・フォーリーが成功。

 一方のスティーラーズは、55分に敵陣深くの連続攻撃でアドバンテージを得ると、SO李承信がキックパスを放ち、右外で受けたWTBアタアタ・モエアキオラがタックラーをかわしてトライを決めた。

 4点差に詰められたスピアーズ。だが62分、マークスがまたもブレイクダウンで奮闘して相手の反則を引き出し、敵陣深くに入ってラインアウトからモールで押し込み点差を広げた。

 その後、粘るスティーラーズにトライを奪い返され、終盤は自陣で守る時間が多かったスピアーズだが、4点リードで逃げきり、4勝1分けとなった。

 惜敗のスティーラーズはこれで黒星先行となり、2勝3敗。


 首位の埼玉パナソニックワイルドナイツは全勝キープだ。この日は東京・駒沢オリンピック公園総合運動場でリコーブラックラムズ東京と対戦し、38-17で制した。

 ワイルドナイツはSO松田力也のPGで得点を重ね、9-3で迎えた前半36分、15番をつけた山沢拓也の正確なキックパスからチャンスとなり、CTBディラン・ライリーがゲインしてSH内田啓介につなぎ、トライを獲得。ハーフタイム前にもテンポよくボールをつなぎ、山沢がインゴールに持ち込んだ。

 23-3で折り返したワイルドナイツは、さらに48分(後半8分)、ラインアウトモールからボールを動かし、12番をつけてデビューとなった長田智希がディフェンダーを引きつけ、空いたスペースをWTBマリカ・コロインベテが抜けて追加点。

 その後、イエローカードをもらって1人少なくなったワイルドナイツに対してブラックラムズがトライを奪い返し、67分にもラインアウトからのムーブでWTBネタニ・ヴァカヤリアが抜け、連続トライとなったが、ワイルドナイツは71分にPGでリードを広げると、終盤にはゴール前の連続攻撃をWTB竹山晃暉がフィニッシュし、5連勝となった。

 ブラックラムズは連勝ストップで2勝3敗となった。


 首位の埼玉ワイルドナイツと2位のクボタスピアーズを追いかける横浜キヤノンイーグルスは、地元のニッパツ三ツ沢球技場でNECグリーンロケッツ東葛を36-12と下し、3勝1分け1敗となった。

 イーグルスは序盤、CTBジェシー・クリエルが突破してオフロードでNO8アマナキ・レレイ・マフィにつなぎ先制すると、リスタート後にはFBエスピー・マレーのロングキック(50:22キック)で敵陣深くに入り、ラインアウトから攻めてモールから持ち出したマフィが連続トライを決めた。

 一方、今季白星発進も3連敗中だったグリーンロケッツは、16分にフリーキックからの速攻でテンポよくフェイズを重ねてWTB尾又寛汰が3人のタックラーをかわしてファイブポインターとなり、28分にもトライへの執念を見せ、SHニック・フィップスがインゴールに持ち込み2点差に詰めた。

 しかし、イーグルスは37分にゴールに迫ると、マフィがパワーで緑の壁を破りハットトリックを達成。日本代表キャップ保持者でもあるマフィはこの試合、ブレイクダウンでも奮闘し、2試合連続でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれている。

 19-12で折り返したイーグルスは、52分にラインアウトからモールで押し込み勢いづくと、70分には今季初先発のCTB南橋直哉がタックルを次々と破ってトライ、最後は連続攻撃をSHファフ・デクラークがフィニッシュし、3トライ差以上つけたためボーナスポイントも獲得している。

 同日、ディビジョン2では第4節の2試合がおこなわれ、首位の浦安D-Rocksは東京・AGFフィールドで日野レッドドルフィンズを41-26で下し、開幕から4連勝。一方のレッドドルフィンズは3連敗(1勝3敗)となった。

 そして、2位の三重ホンダヒートは江東区夢の島競技場で清水建設江東ブルーシャークスに29-10と競り勝ち、3勝1敗となっている。今季ディビジョン2に昇格したブルーシャークスは開幕から4連敗。