ラグビーリパブリック

帝京が大学選手権決勝最多の73得点で早稲田を圧倒! 2季連続11回目の日本一

2023.01.08

圧倒的強さでチャンピオンとなった帝京大学。連覇を遂げ、優勝は11回となった(撮影:松本かおり)


 2022年度の大学ラグビー日本一を決める第59回全国大学選手権大会の決勝が1月8日に国立競技場でおこなわれ、前年度王者の帝京大学が最多16回の優勝を誇る早稲田大学を73-20と圧倒し、連覇を達成。11回目の優勝に輝いた。大学選手権決勝での73得点は歴代最多記録。

 帝京は開始早々、ノーホイッスルトライで先制した。自軍が蹴ったキックオフボールを確保してアタックを継続し、FL青木恵斗からオフロードパスをもらった副将のSO高本幹也が鋭いステップでディフェンスを切り裂き、インゴールに飛び込んだ。

 一方、3季ぶりの王座奪還を目指した早稲田は11分、CTB岡崎颯馬の力強いボールキャリーで22メートルラインに迫ると、すばやくリサイクルしてSO伊藤大祐から内戻しのパスをもらったWTB槇瑛人が抜けてゴールに持ち込み、コンバージョンも決まって7-7の同点に追いついた。

前進を試みる早稲田大のCTB岡崎颯馬(撮影:松本かおり)

 勢いづいた早稲田は17分にも敵陣深くに入ると、ラインアウトからテンポよくワイドにボールを動かし、SO伊藤からロングパスをもらったWTB松下怜央のフィニッシュで追加点を獲得した。

 しかし、突破力がありサポートも堅実な帝京は22分に15フェイズ重ねてゴールに迫り、FL青木がインゴール中央に突っ込みトライ。コンバージョンも成功で再びリードを奪った。

 流れを引き戻した帝京は、27分にはスクラムで相手に反則があって敵陣22メートルライン付近に入ると、ラインアウトからの展開でNO8延原秀飛が抜け、ゴールへ走りきった。

 さらに、ハーフタイム前にはハイパントのこぼれ球を拾ってつなぎ、スピードに乗ったWTB高本とむが軽快なフットワークでタックラーを振りきりゴールへ駆け抜けた。SO高本幹也のコンバージョンも連続成功で、28-12で折り返しとなった。

タックルされながらも力強くボールキャリーする帝京大のFB山口泰輝(撮影:松本かおり)

 後半早々に早稲田がCTB吉村紘のペナルティゴールで点差を詰めたものの、帝京は46分(後半6分)、敵陣深くに入ってFWを使い、走り込んできたPR上杉太郎が壁を破ってトライゲッターとなった。

 50分には、FWが自陣のスクラムでアドバンテージを得ると、SO高本が思いきって仕掛け、巧みにチップキックを使ってディフェンスの裏に出て、パワーと鋭いステップで次々とディフェンダーを振りきり、2万1396人が入った国立競技場を沸かせた。

 フィジカリティでも圧倒する帝京の勢いは止まらず、58分にもスクラムでプレッシャーをかけ、こぼれ球を手にした相手SH宮尾昌典が仲間に渡そうとしたところ、帝京のFL奥井章仁がパスカットしてゴールに持ち込み点差を広げた。その後も手を緩めず、4トライを追加。

 早稲田は終了間際にWTB槇がインターセプトからの独走で5点を奪い返したが、最後は帝京がSO高本のキックパスからWTB戒田慶都がチーム11本目のトライを決め、70点超えとなった。

 圧倒的強さで連覇を遂げた帝京大学の松山千大キャプテンは、「いままで自分たちのことを支えてくれたたくさんの方々に感謝したいと思います。試合終了の笛が鳴るまで自分たちのラグビーをしっかりやろうと仲間に声をかけました。全力でプレーをするということを一年間やってきて、きょうも全員で戦いました。本当に、いい一年間になりました」と喜びを語った。

 そして、監督就任1年目で重責を果たした相馬朋和監督は、「本当にすばらしいプレーを見せてくれたと思っています。毎日努力した成果がきちんと表れた。理事長先生はじめ、大学関係者の皆様のご支援があり、学生たち一人ひとりが全力で努力し、スタッフのみなさんがずっと変わらず献身的にチームのために働いてくださった成果が、きょうこういう形で表れたんだというふうに感じています」と述べ、笑顔を見せた。

胴上げされる帝京大の相馬朋和監督(撮影:松本かおり)
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