ラグビーリパブリック

Bシードの常翔学園が初戦敗退、尾道が競り勝つ。佐賀工3回戦進出、長崎北陽台は逆転勝ち。

2022.12.30

攻める常翔学園にタックルする尾道の選手。尾道はディフェンスでも奮闘した(撮影:松本かおり)


 第102回全国高校ラグビー大会で1回戦から勝ち上がった広島県代表の尾道高校が12月30日、東大阪市花園ラグビー場でおこなわれた2回戦で、Bシードの常翔学園高校(大阪第1)を31-30で下した。

 前半は常翔学園が優勢だった。
 5分、SO為房幸之介の軽快なフットワークでゴールに迫ると、ボールを手にした主将のSH田中景翔がダミーから間隙を突いて先制した。9分にもスピーディーに攻め込みWTB上岡昂平がトライ。相手に7点を返されたあとの17分には、FL阿久心大郎が粘り強い走りでゲインし、オフロードパスをもらったWTB山本啓太がゴールへ走りきった。

 一方、14分にゴール前のパワープレーで得点していた尾道は、20分には主将SO青田宗久の「50:22キック」(自陣から蹴ったボールが敵陣22メートルライン内でバウンドして外に出たため、マイボールラインアウトで再開)で敵陣深くに入ると、連続攻撃からSO青田-FB寺田結-WTB正田青海とテンポよく鋭く切り込んでゴール右に迫り、SH竹本悠希がすばやくインゴールにボールを置いてトライが認められた。

 3点差に詰められた常翔学園は、29分、SO為房がランでゲインしたあとキックし、インゴールに転がったボールをSH田中が押さえ、20-12で折り返したが、後半早々、不当なプレーでイエローカードを提示され、流れが変わる。

 直後、数的有利となった尾道は、スクラムからの攻撃でFL水口結太がトライを決め、FB寺田のコンバージョンも成功で1点差となる。そして11分にも敵陣深くに入ると、ラインアウトからのサインプレーを決めてHO杉本天が右隅に飛び込み、逆転した。

 常翔学園は17分に連続攻撃を主将のSH田中がフィニッシュし、再びリードしたが、尾道は24分、ラインアウトからモールをずらして前進でゴールに迫り、ボールを持ち出したPR檜山蒼介がパワーでタックラーを振りきって再逆転トライ。コンバージョンも成功で6点差となった。

 粘る常翔学園は土壇場の28分、CTBファイアガラ義信ダビデの力強い走りで敵陣深くに入り、リサイクル後、SO為房のキックパスを受けたWTB三田村眞生が右隅にトライを決めたが、タッチラン近くからのコンバージョンは外れ、尾道の勝利となった。

力強い走りで岐阜工のタックラーを振りきろうとする佐賀工のCTB大和哲将(撮影:松本かおり)

 今春の全国選抜大会でベスト4入りした佐賀県立佐賀工業高校は、冬の花園2回戦で岐阜県立岐阜工業高校を43-10で下した。

 佐賀工は前半5分にラインアウトからモールで押し込み先制。11分には敵陣深くでPKを得ると、FB井上達木が左の空いたスペースにキックを放ち、大外にいたWTB山口健太郎がインゴールに持ち込んだ。

 対する岐阜工は17分にLO田淵大飛のペナルティゴールで3点を奪い返し、その後は粘り強いディフェンスを続けていたが、29分、佐賀工の主将FL舛尾和がパワーでダブルタックルを破ってトライを挙げ、17-3で折り返した。

 リードする佐賀工は後半早々、SO服部亮太がブレイクしてWTB迫中一斗につなぎ、追加点を獲得。
 岐阜工は14分に攻め込み、ラックから持ち出したSH山際敬祐がダミーで抜けてインゴールに持ち込み、LO田淵のコンバージョンも決まって7点を奪い返したが、反撃はそこまで。
 佐賀工は18分、ゴール前でPKを得るとPR柴田流良がクイックタップで仕掛けてファイブポインターとなり、その後も2トライを追加し、3回戦進出となった。

日本航空石川に攻められたあとボールを奪ってキックする長崎北陽台のCTB中島拳志朗(撮影:松本かおり)

 同じ九州勢でBシードの長崎県立長崎北陽台高校は、1回戦から勝ち上がってきた日本航空高校石川に苦しめられたが、28-19で逆転勝ちした。

 前半をリードしたのは日本航空石川だった。
 10分、敵陣深くに入り、パワフルなCTBトゥポウ・トゥリマファがディフェンダーをひきつけると、テンポよく持ち出したSH久保田泰綺が仕掛け、WTB辻颯真につなぎ先制トライが生まれた。17分には副将のトゥリマファが力強い走りでディフェンスを抜け、追加点。25分にもトゥリマファに相手の複数が集まり、パスをもらったFB中山二千翔がスペースを抜け、3連続トライとなった。

 一方、0-19で折り返した長崎北陽台は、後半3分に反撃し、ゴールに迫ってPR橋本侑青がピック&ゴーで初得点となり、リズムを整える。8分にはCTB中島拳志朗の力走でトライラインに迫り、リサイクルしてFL亀井秋穂がインゴールに持ち込み、5点差に詰めた。そして16分、ラインアウト後に主将LO白丸智乃祐のボールキャリーでゴールに迫り、NO8久保太進がピック&ゴーでトライ。中島がコンバージョンを3本連続成功し、逆転した。

 流れを変えた長崎北陽台は、21分のピンチをしのぐと、終盤の28分、FL三浦海が突破してオフロードパスをもらったCTB中島がゴールへ走りきり、貴重な追加点獲得となり、接戦を制した。

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