ラグビーリパブリック

やりきった。立命館慶祥の三浦遼太郎、初の花園で初戦敗退も「よくやった」ときっぱり。

2022.12.29

初めての花園で力強い走りを披露した立命館慶祥の三浦遼太郎(撮影:松本かおり)


 試合を通して何度か繰り出していた走りをトライにつなげたのは、後半29分のことだった。

 12月28日、東大阪市花園ラグビー場の第1グラウンドで、立命館慶祥高3年の三浦遼太郎が初めての全国大会初戦で躍動した。

 高校日本代表候補にも選ばれたアウトサイドCTBだ。身長182センチ、体重86キロのサイズで、突破力がある。

 この日は過去4強の石見智翠館高を相手に、持ち味を発揮した。トライシーンでは、敵陣中盤左で味方からパスを受け取り、防御ラインを破ってそのまま駆け抜けた。

「残り時間も少なく、自分たちのやりたいことがはまったり、はまらなかったりしている時、最後に少しでも自分たちの爪痕を残す、いいトライだったのかなと思います。仲間がひとつ、ひとつ、丁寧にタックルしてくれたからこそトライがあった。仲間に感謝したいです」

 チームは低いタックルを重ねて奮闘した。何度もミスを誘った。

 三浦も、味方の蹴った球を追いながら、捕球役に何度も刺さった。

 当の本人は「タックルはまだまだうまくなるという印象です」と満足していないが、自分をかわそうとする相手にも追いついて仕留めることがあった。2フェーズ連続で走者をストップするシーンもあり、守備範囲の広さと運動量をアピールした。

 結果は7-34で敗れた。

 SOの久保田慧主将は「準備したことを出せた部分はよかったのですが、僕自身のキックの精度のせいで相手にトライを獲られたこともある。すごく悔しいです」。かたや三浦は、すっきりした顔つきだった。声を張った。

「自分たちのやりたいこと、準備したことをやって、こういう結果。智翠館さんが強かったなという印象です。個々では後悔しないことはないと思うのですが、まぁ、全体的にはよくやったのかなと思います」

 花園に立ったのはタグラグビーの大会で訪れた小学生の頃以来。「緊張も特になく、最後の最後まで楽しんでプレーできた」と言いきり、次のステージを見据えた。

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