ラグビースクール、学校部活動の中学生選抜チームが全国から集う第28回全国ジュニア大会が12月26日に後期日程の最終日を迎え、夢の島競技場、江戸川区陸上競技場(ともに東京都)で熱戦が繰り広げられた。
第2ブロックB決勝では東京都スクール代表(RS代表)が大阪府代表を19-17で下し、第2ブロックBでは神奈川県RS代表が兵庫県RS代表を22-7で押さえ込み、それぞれ優勝を決めた。
昨年に続いて、感染症対策のために男子は4ブロックに分かれて開催。前期日程(12月24、25日)では福岡県RS代表、大阪府中学校代表、愛知県RS代表が優勝(大阪と愛知は引き分け両者V)、女子は4代表が覇を競い(12月24、25日)、大阪府女子代表が初優勝を遂げている。
【第2ブロックB決勝】
東京都RSが19-17で大阪府RS代表に逆転勝ちを収めた。サイズに勝る大阪は、開始キックオフから怒涛の勢いで開始3分にラインアウトモールからトライをもぎ取ってペースを握る。後半6分までに多彩なアタックで連続3トライ、17-0と差を広げた(20分ハーフ)。しかし、東京は気持ちを切らさずボールを動かし続ける。後半10分、13分の連続トライで東京14-17大阪の3点差に迫った。
終盤のおよそ6分間は死闘に。
自陣からもランを仕掛けて運動量で勝負する東京に対し、大阪も確実で重いタックルを見舞い続ける。大阪がボールを奪い返すターンオーバーも二度、三度と見られた。東京の逆転トライはボードの時計が20分を回ってから。グラウンドを横幅いっぱいに使ったパスも挟んで、左スペースをLO佐藤光希が斜めに走り切り、左スミに飛び込んで19-17とした。
●東京都RS代表・貫井淳 団長
「後半はメンバーを変えてテンポアップに徹した。ポッドラグビーよりも、シンプルに走り、ボールを動かし合うテンポの速いアタックを目指してきた。それを最後まで貫いてくれた。所属チームに関係なく、一つのチームになってくれたことがうれしいです」
●大阪府RS代表・中村弘人 団長
「これまでの大会ですべて逆転負け、それも2点差で。数河の大会、この全国予選…。最後に逆転されて負けることが続いて、その経験がプレッシャーになっていたかもしれません」
【第1ブロックB決勝】
「もし、うまくいかないことがあっても、気持ちを落とさず対応しよう」
神奈川・中西聡 監督の決勝前のメッセージはシンプルだった。互いに譲れず前半を0-0で終えたゲームは、後半に神奈川が2トライを奪って10-0とし、後半11分に兵庫がトライ&ゴールで5点差に迫る競り合いに。その後に神奈川が16分、23分と再び連続トライを挙げて、22-7とした。
ともに中学生とは思えないサイズとスピードで体をぶつけ合い、走り合ったが、接点の強さに一日の長を見せた神奈川が、終盤に突き放した。兵庫は、神奈川のアタックを粘りのカバーディフェンスで凌ぎに凌いだ。しかし、神奈川も堂々たる戦いぶり。前半0-0にも動じず「これ以上できないくらいに走ってきた」(共同主将の PR前鹿川 雄真)という走力を、最後は結果につなげた。
●神奈川県RS代表・中西 聡監督
「この大会の2試合80分を、登録メンバー29人全員で戦おうと話してきた。今回はその日ごとにメンバーを変えることもできたので(昨年は感染対策他のために固定されていた)昨日の22人と、今日の22人は別の顔ぶれでした。出場できなかった選手も含めてよく戦ってくれた。全体の選手層を厚くする指導を心掛けてきた」
●兵庫県RS代表・高橋晃仁監督
「今年のチームは『ここまでこれるかな』と思っていたところを超えました。もう教えることはありません。それで全国で勝てるかというと、さらに上がいた」