ラグビーリパブリック

弟・厳太(天理3年)は「ザ・スタンドオフ」。サクラセブンズ・須田倫代は「花園が楽しみ」

2022.12.25

巧みなステップでディフェンダーを翻弄する須田倫代。(撮影/松本かおり)



 年末、年始は家族で花園ラグビー場へ行くつもりだ。
 大学2年生(追手門学院大)にして、サクラセブンズの欠かせぬ戦力となっている須田倫代(すだ・みちよ)はワクワクしている。

 天理高校の10番を任される須田厳太(げんた)は、2つ違いの弟。
 同じ大阪ラグビースクール出身。幼い頃から一緒に練習していた。
 頑張って!

 父・匠さんが立命館大ラグビー部でPRとして活躍していたため、須田家の子どもたちは楕円球の道を歩んでいる。

 長男の晋矢は関西学院大OB(ポジションはSO)で、長女・倫代はサクラセブンズで活躍中。
 天理高校の司令塔、厳太は次男だ。
 父はフロントローなのに、子どもたちはみんなBKなのが面白い。

 三男は、まだ中学生でSH。7歳の次女は、まだラグビーに興味を持っていないそうだ。
 ただ、先はどうなるか分からない。

 サクラセブンズのステッパーとしてチャンスを作る長女は、幼い頃を回想する。
「兄妹で近くの公園に行き、朝練をしていました」
 27日に開幕する花園。天理は30日から登場する。初戦の相手は青森山田×明和県央の勝者だ。

 弟のプレースタイルを説明する。
「キックが上手です。前を見てプレーし、空いているスペースを思い切り良く攻める」
「ザ・スタンドオフという感じです」
という表現が分かりやすい。

「よくLINEが来ます」
 頻繁に連絡を取り合っている。
 予選の決勝、テレビでやるよ。応援よろしく。
 花園も見てな。
「頑張って、と届くこともあります。試合が終わってからくることもありますが、気づかってくれているのが嬉しいです」

 姉の2022年は充実していた。
 8月はワールドシリーズのコアチーム昇格チームを決めるチャレンジャーシリーズに参加。チームの優勝に貢献した。

 9月のワールドカップセブンズの参加メンバーにも名を連ねた。
 8強入りの目標には届かなかったものの、9位(史上最高位)となったチームの中で躍動する。

 10月、11月にはアジアラグビーセブンズシリーズに参加。
 12月はワールドシリーズのドバイ大会、ケープタウン大会(南アフリカ)で駆けた。

 12月19日から23日まで熊谷でおこなわれた合宿(女子セブンズ・デベロップメント・スコッド)に参加していた。
 そこでも積極的に動いていた。
 世界との攻防の中で出た課題の克服に取り組んでいた。
 向上心は強い。

 この1年を振り返って言う。
「ワールドシリーズでは世界の舞台に圧倒されたところもありました。でも、ひとつでも持ち味を出そうと、大きな相手に対してもチャレンジはできたと思います」

 SOとしてチームに勢いをつけたい。「自分の判断で試合が変わると感じるので、思い切ってアタックするのが大事」と心がける。

「やはり、自分の強みはステップ。(世界では)相手はプレッシャーも強いので、間合いを考えたり工夫をしています。大きな相手は横(の動き)には弱い。そこは、日本の強みを活かせるところ。迷うより、思い切りよく空いているスペースを攻めるようにしたい」

 花園での弟のプレーは、世界と戦うときのヒントになるかもしれない。
 2023年を笑顔で迎えたい。


Exit mobile version