「きょうは、ディテールにこだわって80分戦おうと臨んだ。スコアを取り急いでしまったり、ディフェンスで横一線に並べていなかったり、細かいところが今の課題です」
57-14で慶應を退けた帝京大、松山千大主将のレビューは淡々とし、かつ厳しいものだった。
すでに対抗戦優勝を決めている帝京大と、勝利によっては4位から3位に上がる可能性もあった慶大の対戦は、帝京大の大勝となった。前半終盤まではトライ数で2本-1本の接戦。しかし主導権は多くの時間、帝京大が握っていた。前半終盤に帝京がトライ(G)、PGを加えて24-7に。
帝京大は後半8分、15分にもトライを加えて、帝京38-17慶應に。21点差として、勝利を手繰った。後半32分には慶應にラインアウトモールから1トライ(G成功)を返されるが、直後から3トライを返し(2G)、トライ8本-2本の圧勝となった。
慶應は開始7分でトライを奪われ、失点が重なったが、前半終盤までは僅差のゲームに持ち込むことができていた。2Tを浴びたあとは、前半28分には敵陣にラインアウトで拠点を作り、SOからタッチライン際のWTB今野にキックパスを通し右隅へトライを取り切る。帝京14-7慶應と喰らいついた。
フィジカルで他校を圧してきた帝京を相手にしぶとく接点を作り、ボールをキープ。FB山田響の走力をちらつかせながら、よく準備されたキック合戦で対抗した。しかし、37分にはそのキック合戦から帝京大WTB小村真也に突破を許し、深く攻め込まれる。これが帝京の攻撃起点となり、14点差とされるトライ&Gを許した。41分には帝京大にPGを加えられ17点差。慶應は後半序盤にも連続失点、接戦に持ち込むことができなかった。
すでに優勝が決まっていた帝京大は「対抗戦という素晴らしい舞台で戦えることがモチベーション」(相馬監督)と、メンタル面も、勝負にも抜かりはなかった。「できるだけ平常心で目の前の試合に集中していくこと。それをこれからも変わらずに、続けること。…すみません、つまらないコメントですね」。穏やかな指揮官のコメントにも、前年王者の安定感が伺えた。
この結果、対抗戦は慶應の4位が確定。2位、3位を、早稲田(前年対抗戦2位)、明治(同3位)が争う。早明戦のキックオフは12月4日14時。