10か月後のラグビーワールドカップを見据える日本代表は、2022年シーズンを締めくくるヨーロッパ遠征「リポビタンDツアー」の最終戦として、11月20日にトゥールーズでフランス代表と対戦する。相手は現在世界ランキング2位で、来年の自国開催ワールドカップで悲願の優勝を狙う強豪だ。今年はテストマッチ負け知らずで12連勝中の難敵であり、日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ(HC)は「勝つのは難しいかもしれないが」と言いながらも、「自分たちもゴールとしては、しっかりとここで結果を残したい」と語った。
■20日(日)午後9時30分「フランスvs日本」生中継で見られるのはWOWOWだけ!■
世界トップ10が参戦「オータム・ネーションズシリーズ」全21試合を放送・ライブ配信
イングランド代表に13-52と完敗した試合からスターティングメンバーは5人新しくなり、2人のポジション変更もあった。いつもは13番でプレーすることが多いディラン・ライリーは右WTBで先発となり、先週の試合で14番をつけていた松島幸太朗はベンチスタート。そして、中野将伍がアウトサイドCTBで先発のチャンスを与えられた。
ジョセフHCはバックラインのディフェンスのフィジカリティを重視。187センチ、102キロでフィジカルが強い好調のライリーをWTBで起用し、CTBに中野を使うことで、バックラインのディフェンスを強固にする。
「将伍は(CTB中村)亮土が戻ってきてからなかなか機会をもらえなかったが、彼がバックラインで体を当てて引っ張ってくれることが重要だと思っている。松島に関しては、後半出てきて、彼の武器であるアタック力を活かし、ある程度ゲームが崩れ始めたときにインパクトを出してくれることを期待している」
シオサイア・フィフィタは11番を取り戻した。
ハーフ団は、イングランド戦は流大&山沢拓也のコンビでスタートしたが、今度のフランス戦は齋藤直人が9番で、李承信が10番をつける。
「10番はメンタリティがすごく重要。勇気をもってゲームをコントロールしていくことが求められる。大きなプレッシャーがかかったなかで、いかにコントロールできるか」見ている指揮官。「先週は山沢が試合のなかでコントロールするのが少し難しい部分があったので、今回は李が10番として先発する。彼が海外の試合で先発するのは初めてなので、プレッシャーのなかでどうプレーするか見てみたい。今後のワールドカップへ向けても、非常に重要なことだと思っている」
山沢はフランス戦のメンバーから外れ、控えSOとして中尾隼太がベンチ入りする。10月1日のオーストラリアA戦でJAPAN XVの10番をつけた中尾だが、テストマッチに臨むのは今回が初めてで、出場すれば初キャップ獲得となる。
「隼太は本当にハードワークするし、すごくまじめな選手。ノンメンバーとしてもしっかりチームに貢献してくれていたし、試合に出る機会を与えるべきだと思った。このレベルで彼がどこまでやってくれるか見たい」(ジョセフHC)
そして、東芝ブレイブルーパス東京でもチームメイトであるリーチ マイケルは中尾について、「こういう状況で起用されて力を出すタイプ」と、こちらも期待している。
FWの3列にも変更があり、先週はベンチスタートだったピーター“ラピース”・ラブスカフニがオープンサイドFLで先発となり、イングランド戦で7番だった姫野和樹はNO8にシフトする。6番のリーチを含め、経験豊かな彼らのリーダーシップも重要なポイントとなる。
イングランド戦ではスクラムで何度かペナルティを犯してしまったが、「今週、たくさん練習を積んできたつもり」と修正に手ごたえを感じているジョセフHC。体が大きいフランスのFWはスクラムやモールでプレッシャーをかけてくることが予想され、まずはセットピースの安定が勝利への条件となる。そして、BKはカウンターアタックとキッキングゲームをバランスよく攻め、チャンスを見つけていくことが重要だ。そうして自分たちのリズムを作っていければ、試合の流れはいい方向に行くんじゃないかと指揮官は考えている。
「イングランド戦は序盤からミスやペナルティが多かった。試合の早い段階で、しっかり流れをつかむことがすごく重要だと思っている。いいスタートを切りたい。最初にいい流れをつかんで、自信をつけていけるような試合をしたい」
<リポビタンDツアー 2022 対フランス代表戦/日本代表 試合登録メンバー>
1.稲垣 啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ/44 caps)
2.坂手 淳史(主将/埼玉パナソニックワイルドナイツ/32 caps)
3.具 智元(コベルコ神戸スティーラーズ/20 caps)
4.ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京/6 caps)
5.ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ/11 caps)
6.リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京/77 caps)
7.ピーター“ラピース”・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/14 caps)
8.姫野 和樹(トヨタヴェルブリッツ/24 caps)
9.齋藤 直人(東京サントリーサンゴリアス/10 caps)
10.李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ/5 caps)
11.シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ/11 caps)
12.中村 亮土(東京サントリーサンゴリアス/32 caps)
13.中野 将伍(東京サントリーサンゴリアス/5 caps)
14.ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/9 caps)
15.山中 亮平(コベルコ神戸スティーラーズ/26 caps)
16.堀越 康介(東京サントリーサンゴリアス/6 caps)
17.クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/8 caps)
18.竹内 柊平(浦安D-Rocks/2 caps)
19.ヴィンピー・ファンデルヴァルト(浦安D-Rocks/21 caps)
20.テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス/14 caps)
21.流 大(東京サントリーサンゴリアス/29 caps)
22.中尾 隼太(東芝ブレイブルーパス東京/―)
23.松島 幸太朗(東京サントリーサンゴリアス/46 caps)