ラグビーリパブリック

クリタFW、プレシーズンマッチで釜石FWを圧倒。元日本代表PR山村亮コーチの指導も浸透。

2022.11.15

クリタは前半9分、スクラムを押し込みペナルティトライを奪った(撮影:見明亨徳)


 ジャパンラグビーリーグワンの2022-23シーズンは、12月17日の開幕まで1か月だ。各チームはプレシーズンマッチなどで調整している。ディビジョン3(D3)所属のクリタウォーターガッシュ昭島は11月12日、ホームの栗田工業昭島グラウンドにD2の釜石シーウェイブスRFCを迎えて6戦目を戦った。

 前半からスクラム、モールでフォワード(FW)が圧倒し5トライ、35-14で折り返す。後半は釜石の反撃にあい、一時35-35の同点となったが、ラインアウト、モールからのトライなどで50-45と振り切った。

 「今日の試合はファーストスクラムから押していこうとミーティングから話をしていました。その言葉通りに選手たちは体現してくれて、相手を圧倒できていたと思います」。FWの奮闘を、コーチ就任2年目の山村亮FWコーチは称えた。ワールドカップ2大会などに出場した元日本代表PRである。

クリタウォーターガッシュ昭島の山村亮FWコーチ(撮影:見明亨徳)

 前半5分、ショーが始まった。敵陣右ラインアウトをモールで押す。釜石が反則。クリタは迷わず右中間でのゴール前スクラムを選択。スクラム内での反則があって組みなおし、9分、4度目のスクラムを一気にプッシュする。浮き上がるスクラム。レフリーはクリタにペナルティトライを与えた。
 15分には左中間のスクラムを押し、最後はHO栗原良多がインゴールへ運んだ。21分には左ラインアウト、モールで栗原が仕留めた。圧巻は34分、敵ゴール5メートル前スクラムを押し込むと、NO8フェインガ・ファカイのスクラムトライに。28-0とする。

クリタの3トライ目はHO栗原良多がモールで押し込んだ(撮影:見明亨徳)
34分にはスクラムトライで4トライ目を挙げた(撮影:見明亨徳)

 釜石はトライを奪われるたびに円陣で「スクラムで負けている、モールで押されている。修正しよう」と声をかけていたが、クリタが上回った。30分をすぎて釜石が連続トライを返すも、45分にクリタはラインアウト、モールでHO北條耕太がトライを決めた。

釜石はトライを奪われるたびに円陣で修正を話した(撮影:見明亨徳)

 後半、クリタはゴール前のディフェンスで若干、緩んだか。1トライ奪われた後の15分、釜石が右ラインアウトから攻めてシヨートサイドに走りこんだSH村上陽平がファイブポインターになり、35-28と同点圏内へ。そして24分、クリタはゴール前に攻め込まれ反則を犯す。「(釜石は)来るぞ!」と山村コーチらが声をかけるも、釜石NO8セタ・コロイタマナがタップからしかけてインゴールへ運び、同点になった(35-35)。
 しかし、ここでもクリタはFWが頑張った。リスタートで攻め右ラインアウトを得る。モールで押すとHO北條が2トライ目。42-35となった。その後はお互い1トライに1PGを取り合い、50-45で終えた。

後半24分、釜石NO8セタ・コロイタマナが一瞬の隙をついて同点につながるトライ(撮影:見明亨徳)

 クリタの山村コーチは「後半にスクラムからのペナルティで流れが相手側に傾き勢いを与えてしまったので、しっかり課題として捉え修正していければと思います。この部分は良い学びができたと思います」とコメント。そしてチームの理想として「相手チームのスクラムがどうこうというより、自分たちがやってきたことをしっかりと出し切ること。ヘッドコーチのワイクリフ・パールーが言うようにビックマック(一貫性を持って行くと言う意味の愛称)で行くことです」をあげる。

 リーグワン初年度はコロナ感染などで4つの不戦敗もありD3最下位(6位)に沈んだクリタ。FW戦は今季の武器になる。「プレマッチを重ねることで理想に近づいていることは手応えとして感じています。(最終戦前に)トレーニングキャンプがあるので、しっかりレベルアップしてチャレンジし続けていきたい」(山村コーチ)

セットプレーを見守るクリタの山村コーチ。手応えを感じている(撮影:見明亨徳)

 クリタはプレシーズンマッチ最終戦を12月3日、D2の日野レッドドルフィンズと戦う(会場・昭島グラウンド)。一方の釜石は、11月26日にD3の九州電力キューデンヴォルテクスと対戦する(会場・福岡グローバルアリーナ)。

※ 観戦の可・不可などはチーム公式サイト・SNS等でご確認ください。

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