ラグビーリパブリック

【RWC2021】 NZが自国開催で悲願達成! イングランドとの大激闘制し歓喜、世界一!

2022.11.12

自国開催のプレッシャーをはねのけ、RWC連覇を遂げたブラックファーンズ(Photo: Getty Images)


 銀のシダのエンブレムを誇る黒いジャージーの選手たちも、赤いバラを胸に咲かせる白いジャージーの選手たちも、精いっぱい、光り輝いた。

 女子15人制ラグビーの世界一を決める「ラグビーワールドカップ2021」(RWC2021/第9回女子大会=コロナ禍で1年延期して開催)の決勝が2022年11月12日におこなわれ、初の自国開催で連覇を狙った女子ニュージーランド代表“ブラックファーンズ”が、世界ランキング1位の女子イングランド代表“レッドローゼズ”を激闘の末に34-31で下し、歓喜となった。

 女子ニュージーランド代表は2大会連続6回目の優勝。一方、驚異の30連勝で頂上決戦に進んだ女子イングランド代表は、前回大会に続いてまたしてもブラックファーンズに敗れ涙をのんだ。

 オークランドのイーデンパークでおこなわれた決勝はチケット完売。4万2579人の大観衆のなか、歴史的名勝負が繰り広げられた。

 先にペースを握ったのはイングランドだった。立ち上がりから相手にプレッシャーをかけ、3分、ラインアウトからの展開で敵陣深くに入ってフェイズを重ね、FBエリー・キルダンが先制トライを決めた。

 そして、準決勝までに挙げた38トライ中、24本はラインアウトモールからというイングランドは、その強力な武器を決勝でも発揮した。リードを広げる13分のファイブポイントも、相手に流れが傾きかけた直後の21分と32分も、ドライビングモールでトライを奪った。

強力なドライビングモールでトライを重ねたイングランド(Photo: Getty Images)

 しかし、完全なイングランドペースとはならなかった。
 18分、攻めていたニュージーランドのWTBポーシャ・ウッドマンを懸命に止めようとした白いジャージーの14番、リディア・トンプソンが、頭部と頭部がぶつかる危険なヘッドコンタクトでレッドカードを提示され、一発退場。イングランドは残り60分以上を14人で戦うことになった。

 一方、今大会のトライ王であるウッドマンはそのアクシデントで負傷交代となり、ニュージーランドに火がついた。
 その直後、ニュージーランドはラインアウトからモールでトライを奪い返し、スタジアムが沸く。
 25分にも敵陣深くに入ると、ラインアウトモールからボールを動かし、数的有利を活かして、ウッドマンに替わり左WTBに入ったアイシャ・レティイイガがトライ。
 ハーフタイム前にも黒衣軍がモールから得点し、7点差に詰めて折り返した。

 そして後半開始早々、ニュージーランドはCTBステイシー・フルーラーのゲインでチャンスとなり、サポートしたFBレニー・ホームズも力走、再びボールをもらったフルーラーがインゴールに持ち込み、24-26と2点差に迫った。

決勝ではミスもあったが、レギュラーLOとして今大会大活躍だった21歳のマイア・ルース(Photo: Getty Images)

 ニュージーランドは活気づき、49分(後半9分)には今大会を最後に引退することを表明していたベテランSHケンドラ・コックセッジの「50:22キック」(自陣から蹴ったボールが敵陣22メートルライン内でバウンドして外に出たため、マイボールラインアウトで再開)で敵陣深くのチャンスとなり、ラインアウトからモールでアドバンテージを得て攻め続け、PRクリスタル・マレイがインゴール左隅に突っ込み、逆転トライとなった。

 その後、またもイングランドにモールトライを許し、再び追う展開となったニュージーランドは、65分には危険なプレーをした選手にイエローカードが出て数的有利がなくなってしまったが、71分に再逆転に成功する。フェイズを重ねて敵陣22メートルラインに迫り、CTBテレサ・フィッツパトリックがディフェンス裏にキックすると、そのボールを追ったCTBフルーラーがゴール前で確保し、WTBレティイイガにつないでトライが決まった。

 3点を追うイングランドは試合終了間際、相手に反則があり敵陣深くに入って攻め続け、80分を報せるサイレンが鳴ったあと、再びラインアウトから得意のモールで逆転トライを奪うチャンスだったが、黒衣の19番をつけたジョアナ・ナンウーが果敢に空中で競ってスチールし、まもなく、試合終了の笛。激闘は終わり、ニュージーランドが悲願達成で歓喜となった。

最後の大ピンチをしのぎ、歓喜となったニュージーランド(Photo: Getty Images)
Exit mobile version