11月6日、流経大たつのこフィールド(茨城)で関東大学リーグ戦が行われ、流経大が31-29 で東洋大を倒した。前節まで、ともに3勝1敗で時点リーグ2位を争うチーム同士の対戦だった。21-17の4点リードで折り返した流経大はその後、後半8分までに2トライを失って21-29に。8点差。後半13分にPGを返して5点差に詰めた。
その後は流経大24-29東洋大のままスコアは動かず。得点は入らないが、ゴールラインとゴールラインの間でボールと勝負の天秤は目まぐるしく動いた。互いにここぞの場面でミスがあり、チャンスが実らない。それは互いの激しいディフェンスの裏返しでもあった。
試合中盤、「打ち合い」に持ち込んだ東洋大のプレーが目を引いた。連携して相手との間合いを詰めるラインディフェンスは、流経大のボールを外へ外へ逃がす。流経大は強いキャリアー、スピードランナーもいるタッチ際に突破口を作る。しかし、そこには東洋大のディフェンダーが、ストイックに冷静に戻ってカバーに追いついてくる。「もし抜かれるならタッチ際」という共通イメージがあるから、みんなで信じて後ろにも走れる、東洋大はディフェンスで活躍する選手の好場面を多く作った。
東洋大のLO齋藤良明慈縁 主将は、「素晴らしい相手と、こんな場所で対戦できること、うれしい気持ちでいっぱい」と試合を振り返った。
「しかし、それを上回るのは悔しさ。ギリギリの勝負に勝ち切れなかった」
東洋側にすれば、終盤までの展開は、自分たちの土俵に引きずり込む良いプロセスだった。5点リードのまま、時間が着々と進んでいく。あと7分、あと5分…。しかし、そこから流経大は上位校(2017年度から4季連続の全国8強)らしい集中力を見せた。
流経大はセットプレーで猛烈なプレッシャーをかけ、互いに消耗した時間帯に東洋大のリズムをかき乱した。37分、東洋大の反則を引き出し、ゴール前のラインアウトへ。最後は、FWが自らの意思でモールをプッシュ。これが起点となって、後半40分のゴール真下への同点トライが決まった。GKも難なく決まり、31-29の逆転。次のキックオフ後も東洋大の必死のプレーを凌いでノーサイドを迎えた。
流経大・内山達二監督は「東洋大はワンチームの結束が素晴らしいチームと思い、しっかり準備してきた。それでも、前半からやりたいことをやらせてもらえなかった。特に、モールであそこまで押されるとは思っていなかった。前半はちょっと驚きました」。
昨年はまさかのリーグ5位に沈み、流経大にとっては巻き返しのシーズン。「東洋大のように最後まで諦めない姿勢を、ウチも最後の5分間は体現できた。それが今後の糧になります」(内山監督)。上位争いの切磋琢磨が、両チームを成長させている。
次節、流経大はやはり好調の立正大と対戦。かたや東洋大は、その立正大に大敗を喫した(10月30日・法大 18-64 立正大)法大と戦う。