ラグビーリパブリック

日本代表、スクラムで相手を「窮屈」に。キーマン具智元は大一番の復帰で「安心」。

2022.11.04

オールブラックス相手にスクラムで奮闘した日本代表のPR具智元(撮影:松本かおり)


 見事にカムバック。苦しみながらも走り切った。素直に振り返った。

「(試合は)楽しみではあったんですけど、不安もあって。いま終わってみれば、安心の方が大きくなってきている。本当によかったです」

 ラグビー日本代表の右PRとしてワールドカップ日本大会などで活躍した具智元は、10月29日、東京・国立競技場でオールブラックスことニュージーランド代表との一戦へ先発。今年の国内リーグワンで首を痛めて以来の実戦復帰だった。

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 9月の候補合宿からナショナルチームに本格的に合流も、10月の対オーストラリアA・3連戦では出場が叶わず。果たしてこの日、古傷を痛がる様子も見られたが、終盤の後半32分までフィールドに立った。

「(10月まで)大きいけが、小さいけががあったのでストレスがたまったのですが、きょうはいい試合ができて、本当によかったです」

 試合は競った。2018年の対戦で31-69と大敗した相手に、今度は31-38と接近できた。約4年前の対戦時はけがで出番のなかった具は、ジャパンの現在地について「よくなってきている」と語った。

「その時(2018年)よりもいい試合ができたし、プレッシャーをかけられた。よくなってきているな、自信を持ってきているなと感じます」

 身長183センチ、体重118キロの28歳。元韓国代表の左PRである東春氏を父に持つ。英才教育による積み重ねと恵まれた体格を、8対8で組み合うスクラムに活かす。最前列右で、首尾よく姿勢を保って隙を見て前に出られる。

 日本代表では、長谷川慎アシスタントコーチの形にならう。低く小さな塊でぶつかり、相手の姿勢を崩すイメージだ。

 今度の一戦でも「強い印象があった。どのスクラムも押してくる」というオールブラックスに対し、自分たちの形さえ整えれば勝負できる感覚があったか。

 反則を取られた1本と好感触だった1本とを比較し、こう語った。

「(相手を)窮屈にさせた時はいい感じだったんですけど、少しでも相手にヒットされた時は、セカンドプッシュで押されたり、(自分たちの押しを)ずらされたりしていたので。そういうものが1本もなくなればいいなと思っています」
 
 チームは現在、欧州へ渡っている。11月12、20日には、イングランド代表、フランス代表とそれぞれ敵地でぶつかる。ジャパンの背番号3を託されて久しい通称「ぐーくん」は、欧州の戦士もスクラムで「窮屈」にさせたい。

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