ラグビー女子日本代表、サクラフィフティーンは勇敢だった。
しかし、世界最高峰舞台での挑戦は0勝で終わった。
2大会連続5回目の出場となったラグビーワールドカップの2021ニュージーランド大会（第9回女子大会／コロナ禍により1年延期で開催）でベスト8以上を目指したが、プールステージで3戦全敗となり、敗退が決定。10月23日にオークランドのワイタケレ・スタジアムでおこなわれた最終戦は、世界ランキング5位の女子イタリア代表に8－21で敗れた。
今大会では下位チームの順位決定戦は実施されないため、女子日本代表にとってはこの試合が最後となった。
一方、プールBで2勝目を挙げた女子イタリア代表は準々決勝進出が決定。ラグビーワールドカップにおいてイタリア代表が準々決勝に進むのは、男女通じて初の快挙である。
イタリアを3トライ以内に抑えて8点差以上で勝ち、自分たちは4トライ以上挙げれば、日本は準々決勝に進む可能性があった。
しかし、相手に先制された。開始早々のピンチをしのいだ日本だが、前半9分、イタリアは突破力の高いアウトサイドバックスでブレイクし、日本はゴール前でSH阿部恵が懸命に止めたものの、つながれ、最初のトライを許した。
その後もイタリアが優勢にゲームを進める。
だが、日本は食らいついた。
16分にも青いジャージーが連続攻撃でゴールに迫ったが、CTB古田真菜が強烈なタックルで倒し、FL長田いろはがからんでターンオーバー。ピンチを脱出した。
攻めては、何度か敵陣22メートルライン内に入りながらチャンスをつぶしていた日本だったが、26分にはFB松田凜日の力強いブレイクスルーもあり、徐々に流れが変わる。
松田のランを起点とした好機はイタリアの粘り強いディフェンスに阻まれたものの、直後のラインアウトでLO佐藤優奈がスチールし、まもなくイタリアに反則があって日本はアドバンテージを得ながら16フェイズ重ねる。ここでも得点にはつながらなかったが、PKから再び果敢に攻めてゴールに迫り、30分、FL細川恭子が同点トライを決めた。
その後、WTB今釘小町の好走やPR加藤幸子のビッグタックルなどもあって日本は活気づく。
37分にイタリアがPGで勝ち越したが、日本は5－8の僅差で折り返した。
後半先に得点したのは日本だった。イタリアの攻撃に耐えると、47分（後半7分）にPR加藤とFL長田がブレイクダウンで奮闘し、敵陣深くへ入る。直後の攻撃は得点につながらなかったが、まもなく、CTB古田がジャッカルで相手の反則を引き出し、SO大塚朱紗がPGで同点とした。
しかし、歴史的な8強入りを目指すイタリアも譲らず、54分にPGで勝ち越し。
その後、日本は危険なタックルをした今釘にイエローカードが出て、1人少ない状態で辛抱強く戦っていたが、イタリアが再び攻め込み、67分にもショットを許して6点差とされてしまった。
それでも、死力を尽くし、タックルは194回を数えるなど最後まで懸命のディフェンスを続けた日本。
だが、78分に勝負を決めるトライをイタリアに奪われ、8－21で女子日本代表“サクラフィフティーン”の挑戦は終わった。