ニュージーランドで開催中の「ラグビーワールドカップ2021」(第9回女子大会)は、10月16日にオークランドのワイタケレ・スタジアムで熱戦が繰り広げられた。
日本も入るプールBで首位に立ったのは、世界ランキング3位のカナダだ。初戦で日本を圧倒し、この日は同じく白星発進のイタリア(世界ランキング5位)に22-12で競り勝った。
好スタートを切ったのはイタリアだった。開始から30秒、初戦でも鋭い走りを連発していたFBヴィットーリア・オストゥーニ・ミヌッツィがハーフウェイからのカウンターで次々とタックラーを振り切り、そのままゴールへ走り抜け先制した。
イタリアは粘り強いディフェンスも強みで、序盤は青いジャージーの奮闘が光った。
しかし、カナダは18分、テンポよく攻め込み、トライマシーンと呼ばれるWTBペイジ・ファリースが鋭い走りでゴールに持ち込んだ。コンバージョンも決まり逆転する。
その後、イタリアは、CTBのベアトリーチェ・リゴーニやミケラ・シラリなど、勇敢で力強いランナーが揃うバックスが躍動したが、なかなか得点につながらず、先に追加点を奪ったのはカナダだった。
36分、ラインアウトからモールで押し込み、12-5で折り返した。
後半もイタリアは健闘したが、50分(後半10分)、反則からカナダに連続攻撃を許してしまい。失点。逆に、勢いに乗ったカナダは、56分にもドライビングモールで点差を広げた。
終盤、カナダはイエローカードをもらって数的不利になった時間帯もあったが、ブレイクダウンでターンオーバーを連発するなど、大崩れしなかった。
イタリアは敗れはしたものの、終了間際にCTBシラリのビッグゲインで敵陣深くに入ってたたみかけ、トライを獲りきって次週の日本戦につなげた。
カナダは2連勝(総勝点10)、イタリアは1勝1敗(総勝点5)となった。
プールAでは、初の自国開催でワールドカップ連覇を狙うニュージーランドが、同じく白星発進のウェールズを相手に10トライを奪い、56-12と圧倒した。
初戦でハットトリックを決めた世界的スターのWTBポーシャ・ウッドマンは、この日も2トライを挙げる活躍。パワーと鋭いステップで会場を沸かせた。
ブラックファーンズと呼ばれる選手たちは、同国男子代表“オールブラックス”のようにサポートプレーも見事で、FWもよく走り、21歳のLOマイア・ルースや、けがから復帰したPRクリスタル・マリーなどもパワフルな突進でトライを決めている。
ニュージーランドはこれで2勝0敗(総勝点10)となり、プールAトップ通過が確定。
一方、1勝1敗(総勝点4)となったウェールズだが、スクラムでは何度もニュージーランドを圧倒し、ドライビングモールから2トライを奪ったのも自信となったに違いない。
22日にはプールAの2位通過&準々決勝進出をかけ、得失点差で上位のオーストラリアと対戦する。