ラグビーリパブリック

レベルズ×ライナーズの「初戦」が間もなく。国際試合の価値は。

2022.10.15

左から、レベルズのサム・タラカイ主将、ケヴィン・フットHC、ライナーズの水間良武HC、野中翔平主将(撮影:向風見也)


 オーストラリアのメルボルンからスーパーラグビー(国際リーグ)に挑んでいるレベルズが、カップを作った。

 日本のリーグワン1部にいる大阪の花園近鉄ライナーズと、定期戦をおこなうためだ。

「このカップは我々のライナーズ、レベルズの友好の証です。優勝したチームが手にして、今後、(年に1度のペースで)継続して試合をしていき、勝った方のチームに渡るよう使っていきたい」

 レベルズのケヴィン・フットHC(ヘッドコーチ)がこう説明する隣で、ライナーズの水間良武HCがうなずく。

「これが50年、100年、経っても毎年(両軍を)行ったり来たりすればいいですよね。今回は、第一歩」

 かねて提携を結ぶ両軍は10月15日、初めて親善試合をおこなう。ライナーズのホームである東大阪市花園ラグビー場で14時、キックオフだ。

 13日には会場で試合前会見を実施。司会者が「チケット、絶賛発売中です!」と集客を促すなか、フットHC、水間HCがそれぞれ宣言する。

「ライナーズがわくわくするラグビーをするのはわかっている。我々もわくわくするラグビーをする。わくわくする者同士、クオリティの高い試合をします」

「インターナショナルマッチ。ライナーズとしては非常に楽しみです。初めて海外のチームと試合をする選手もいますし、チームがスーパーラグビーのチームと試合をするのは初めて。最大限にレベルズをリスペクトしつつ、徹底的に叩きのめしたいと思います」

 ライナーズは、12月中旬からのシーズン開幕へ手綱を引き締めたい時期。水間HCは「(練習で)やってきたことがどれだけ通用するか」と展望する。

「(これまでは)昨季の試合に(あまり)出ていない選手を主に起用。今回(レベルズ戦)に関しては、昨年度の試合に出ていたメンバー(が中心)。自分たちのスタイルを出す。速いテンポでどんどんプレッシャーをかける。常にチャンスを探す。昨季はアタックに割いていましたが、今年は最初の3~5週間、ディフェンスに時間を割いた。ディフェンスでプレッシャーをかけて、自分たちの得意なスタイルに持っていく。(レベルズ戦で)それを発揮できるか(に注目)…ですね」

 レベルズは、代表関連活動に参加する一部選手をのぞけば主力級を並べる。開幕4か月前となるこのタイミングで日本のクラブと試合をするメリットを、フットHCはこう説明する。

「一緒になって海外に来て、違う文化を体験する、新しい食べ物を試してみるという機会。これはチームビルディングにも意味があります。今回のツアーに参加している選手には、オーストラリアを出たことがない選手もいます。そんななか、日本を知るタラカイがリーダーシップを示している」

 指揮官の言葉通り、PRのサム・タラカイ主将は昨季まで日本のサンゴリアスでプレー。タラカイは今度のゲームを前後し、日本の仲間たちと連絡を取り合ったようだ。

 サンゴリアス所属で日本代表NO8のテビタ・タタフへは、大阪でおすすめの焼き肉屋の情報をリサーチ。同部の若手PRの祝原諒介とは、日本を離れる間際にトレーニングの器具を交換する約束をしているのだと話した。

 試合も、その後も楽しみだ。

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