ラグビーリパブリック

キーワードは「2 minutes」。より緻密なコミュニケーションで豪州を倒す

2022.10.07

先発する姫野和樹。途中出場の第1戦は、ブランクを感じさせないパワフルなプレー(撮影:BBM)

午前中、雨の中で前日練習に励むJAPAN XV(左が李承信/撮影:BBM)
同じく先発の中村亮土。「できることをやる」ときっぱり(撮影:BBM)
李承信は背番号10をつける。「コントロールとバランス」を自らのタスクに挙げた(撮影:BBM)

 10月8日14時、福岡・ベスト電器スタジアムでキックオフ。明日の決戦に備えて、オーストラリアA代表と戦うJAPAN XVが同会場で前日練習をおこなった。練習は冒頭の15分のみ公開された。

 練習後にメディアの質問に応えたのは、先発メンバーに選ばれたFL姫野和樹、CTB中村亮土、SO李承信。第1戦(JAPAN XV 22-34オーストラリアA)で交代出場した姫野は、4月にリーグワンで痛めたモモ裏のケガのため、夏の代表シリーズには参加していない。豪州Aとの第1戦では久々の国際レベルのプレーを満喫したようだ。

「ラグビーをする喜びを感じたし、自分自身の進化も感じることができた」(姫野)

 新たなトレーニングの取り組みで体幹の強さ、しなやかさが改善されたという。「体の強さを感じたし、体が軽かった」。ファンが注目する密集プレー、ジャッカルについて聞かれると「まだケガから5か月で、完全な状態ではない」。今回は、国際レベルでは珍しく7番での出場だが、「ポジションよりも、自分の強みを出すことを意識します」と抱負を語った。

 姫野と同じく夏のキャンペーンをスキップした2019年W杯メンバー、CTB中村亮土もケガ明けで、復帰までの道のりを振り返り、周囲のサポートへの感謝を口にした。「ここに戻ったからには、責任あるプレーをしたい」(中村)。

 スタンドから見た第1戦は「用意したプランは遂行できていた。後半に選手同士のコネクトが崩れた」。重ねた反則も敗因の一つに挙げた。自身が練習にフルで復帰したのは前週のことだという。

「ゲームの感覚を取り戻す。SOに入る李承信とは初めて組むので、細かい部分のすり合わせを重ねている」

 国際レベルでの試合勘がよみがえれば、豊かな経験と幅広いプレーがゲームにもたらす影響は大きい。

 21歳のSO李承信は、夏のフランスとの最終戦に出場し存在感を示したホープだ。やはり第1戦の後半の戦いを課題に挙げた。

「フランス戦でも後半20分で勝利を逃した。リーダーシップの部分は大きい。各リーダーが同じページを見てプレーできるように、自分はアタック面でリードしていきたい」

 2 minutes.

 ジェイミー・ジョセフ監督がこの試合に向けて掲げたキーワードだ。

 相手のプレーに対する順応と対応(アジャスト)、自分達から仕掛けるプレーのリセットの速さと精度。それを、「この先2分間において何をすべきか」に絞って見極め、意思統一をして戦うことを指している。

 オーストラリア側は第1戦を経てコンビネーションを高め、日本のスピードあるアタックへの対応を準備してくる。先発メンバーを5人換え若手も多い陣容だが、主将のSHライアン・ロナーガンは「自分達のやるべきことははっきりしている」(同日の練習後に)。この試合へのプロセスに自信をのぞかせた。

 日本がリベンジを目論む第2ラウンドは明日、14時キックオフ。福岡・ベスト電器スタジアムで、多くのラグビーファンの後押しを得たい。

第2戦は若いチームを背負う。豪州A代表のキャプテンSHライアン・ロナーガン(撮影:BBM)