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オーストラリアAは福岡でトライアル第2戦へ。「フィジカルにより注力を」と指揮官

2022.10.06

コーチのジェイソン・ギルモア(左)と先発SOテイン・エドメドがメディア取材に応じた(撮影:BBM)

FWは短時間ながら熱のこもったスクラムのライブ練習。汗が滴った(撮影:BBM)
マシンではプッシュの呼吸と密着度を細かく確認(撮影:BBM)

 10月1日の秩父宮でJAPAN XVを倒した第1戦(34-22)をビデオでも分析したジェイソン・ギルモア コーチは日本について、「フランス、ウルグアイ戦でも分析したのと同じ印象。1次、2次のアタックには非常にスピードがあり危険」と評した。「前半はそのディフェンスで苦しめられた。次戦ではよりフィジカリティが重要。注力したい」

 10月6日、日本3都市を遠征中のオーストラリアA代表は、福岡市内のグラウンドで2時間強のセッションをおこなった。10月8日にはベスト電器スタジアム(福岡市・14時開始)でJAPAN XVと遠征第2戦に臨む。

 先立って発表された出場メンバーは、先発をSOなど5人を換え、ベンチには今ツアー初メンバー入りが6人。23選手の入れ替えは第1戦でのパフォーマンスの結果より、遠征メンバーにプレータイムとチャンスを与える意図が強い。

「遠征には34人の選手が参加している。第1戦、第2戦で起用する選手を分け、その結果で日本との最終戦のメンバーを決める。フィジーで見てきた選手も含めて(7月のパシフィック・ネーションズカップ)、ワラビーズ入りのチャンスは誰にでもある」(同コーチ)。三重に所属、スコッド内では経験あるトム・バンクスについては「この試合では必ず起用する。第3戦に出場するかはパフォーマンスによる」。日本ツアー後にフル代表であるワラビーズがおこなう欧州遠征への選考は、この遠征の大きな目的の一つ。この日は、遠征3戦を通じた選手同士の競争を強調した。

 一方で、若い選手たちの国際経験を積ませ、候補選手の層を厚くすることにも注意を払っている。21番をつけベンチに入るSHテディ・ウィルソンは19歳。「昨季スーパーラグビーのシーズン後半で力を見せた。 SHとしてはこのチーム第3の存在だが、今週のデビューは楽しみ」(同コーチ)

 今シリーズで初出場となる選手の一人が、先発SOテイン・エドメド。日本で言えば大学4年の年代、昨季ワラターズでデビューし18試合に出場した。ギルモア コーチいわく「第1戦で出場したベン・ドナルドソンとはスタイルが違う。右足のキック、体も強いタイプ(183㌢、91㌔)。練習でいい動きを見せてきた」。

 メディア対応後も時間を惜しむようにプレース・キックの感触を確かめていたエドメド本人はリラックスした表情の中にも高い意欲をのぞかせる。

「1戦目はこちらがスロースタートになってしまった。日本のラグビーはとても速い。スキルレベルも高い。そして、基礎がしっかりしている。パス、キック、タックル、ブレイクダウン、速いラック、どれも、地道なトレーニングなしには成し得ないものを感じた」

 代表選手を目指す競争の中で自分がするべきことを聞かれると「チームを勝たせることです。ゲームをしっかりとコントロールしたい」

 一行は第1戦翌日に移動、月曜から福岡でトレーニングを積んでいる。火曜は強度の高いセッションをこなし、水曜はオフを楽しんだ。「プレーとは別に、海外遠征は文化体験も大切。選手たちには、オフも積極的に過ごすよう促している」(ギルモア コーチ)。選手たちは思い思いにレフレッシュ。広島に足を伸ばしたグループもあるという。エドメドは「みんなでパンケーキを食べました」。22歳の素顔を覗かせた。

 オーストラリアA代表は明日・金曜、試合会場で汗を流す。日本側も福岡へ移動し、同じく福岡・ベスト電器スタジアムで前日練習をおこなう。