ラグビーリパブリック

中村亮土、李承信らがJAPAN XVスタメン入り。豪州Aは先発5人変更。

2022.10.06

オーストラリアAに挑むJAPAN XV。写真は第1戦の試合前 🄫JRFU


 ラグビーワールドカップ2023フランス大会の開幕まであと11か月と迫るなか、男子日本代表は今秋、タフな6連戦を組み、現在はJAPAN XV(ジャパン・フィフティーン)としてオーストラリアA(同国代表“ワラビーズ”に次ぐセカンドチーム)を相手とするチャレンジシリーズに臨んでいる。
 第1戦は逆転負けを喫しており、10月8日に福岡・ベスト電器スタジアムでおこなわれる第2戦ではリベンジしたいところだ。

 第1戦から先発メンバーは6人変更。先週は不在だったPR垣永真之介、SO李承信、CTB中村亮土がスターターに名を連ね、第1戦はリザーブだったFW2列のワーナー・ディアンズ、3列の姫野和樹、そしてアウトサイドバックの松島幸太朗が先発となった。

 6月に首の手術を受け、夏の代表活動には参加していなかった中村が待望の復帰だ。
 ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは、「すばらしい練習をしてくれている。合宿に来たときからすごく元気で、やる気に満ちていた」と明かす。リーダーシップもあり、2019年のワールドカップでも活躍するなど経験豊富で、指揮官は「亮土はすばらしい選手。回復力があり、タフで、スマートさもある。彼の経験は、特に後半には必要になってくると思うので、楽しみにしている」と期待する。

 松島と姫野も夏は不在だった復帰組で、ジョセフ ヘッドコーチは彼らについても「けがから戻ってきて、コンディションを上げてしっかり自信をつけていくことが重要」と話した。
 松島は過去2季在籍したクレルモン(フランス)ではFBで出場することが多かったが、この試合は右WTBで先発する。先週は後半途中に入ってすぐ、快足を飛ばしてトライを挙げ秩父宮を沸かせた。指揮官も「すぐにインパクトを出してくれた」と称賛し、頼もしい男が戻ってきたことを喜ぶ。
 姫野は7番で、8番は2週連続でリーチ マイケルがつける。
 FW3列では、第1戦で7番をつけたピーター“ラピース”・ラブスカフニが練習中に膝をひねったため大事をとり、指揮官が「未来のある選手。成長させていく必要があり、継続して使っていきたい」と考えている23歳の下川甲嗣は第2戦も6番で先発、NO8テビタ・タタフがベンチで待機する。

 SOの李は合宿中に足首を痛め、第1戦の10番は中尾隼太に譲っていたが、第2戦の司令塔を任された。
 21歳の李についてジョセフ ヘッドコーチは、「彼は若く、可能性のある選手だということを(7月の)フランス戦で証明してくれた。経験を重ねることは彼の未来にとっていいことだと思う。10番としては、チームをしっかりドライブさせて前に進めてほしいし、しっかりコントロールしてもらいたい。それと同時に、試合のなかで対応していく能力も大事。最終的には自分の仕事をしっかりしてもらいたい」と述べ、パフォーマンスを楽しみにしている。

 もうひとりのSOである山沢拓也は、脳しんとうの影響で出遅れていたが、今週からフルメニューでトレーニングに参加しているとのことで、指揮官は「あと1週間くらいすればコンディションは上がってくると思う。来週(第3戦)のセレクションには入ってくるんじゃないか」と語った。

 第1戦は終盤に逆転されて惜敗。ジョセフ ヘッドコーチは「いい試合をしたと思うが、勝てた試合だった。大事な時間帯でペナルティやミスをしてしまうと最終的には勝てないということを学ぶことができたと思う」と話し、チームとしての成長を期待する。「プレッシャーがかかったときに、その状況にどう対応していくのか、レフリーも含めて、ゲームの流れをしっかり見ていく必要がある」。10月後半からはニュージーランド代表、イングランド代表、フランス代表とのテストマッチを控えており、オーストラリアA戦では質の高いラグビーを経験しながら自信もつけていきたい。

■「オーストラリアAは先発5人変更」 →(次のページ)

▼JAPAN XV 試合登録メンバー
※ 画像をクリックするとPDFで大きく表示できます。

<JAPAN XV 試合登録メンバー>
1.クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/6 caps)
2.坂手 淳史(主将/埼玉パナソニックワイルドナイツ/30 caps)
3.垣永 真之介(東京サントリーサンゴリアス/11 caps)
4.ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京/4 caps)
5.ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ/9 caps)
6.下川 甲嗣(東京サントリーサンゴリアス/—)
7.姫野 和樹(トヨタヴェルブリッツ/22 caps)
8.リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京/75 caps)
9.齋藤 直人(東京サントリーサンゴリアス/8 caps)
10.李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ/3 caps)
11.シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ/9 caps)
12.中村 亮土(東京サントリーサンゴリアス/30 caps)
13.ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/7 caps)
14.松島 幸太朗(東京サントリーサンゴリアス/44 caps)
15.山中 亮平(コベルコ神戸スティーラーズ/24 caps)

16.堀越 康介(東京サントリーサンゴリアス/5 caps)
17.三浦 昌悟(トヨタヴェルブリッツ/9 caps)
18.木津 悠輔(トヨタヴェルブリッツ/5 caps)
19.小瀧 尚弘(コベルコ神戸スティーラーズ/11 caps)
20.テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス/12 caps)
21.流 大(東京サントリーサンゴリアス/27 caps)
22.中野 将伍(東京サントリーサンゴリアス/5 caps)
23.ゲラード・ファンデンヒーファー(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/3 caps)

ワラビーズでも経験を重ねているポネ・ファアマウシリ(Photo: Getty Images)

 オーストラリアAは先発を5人変え、来日前にワラビーズ(オーストラリア代表)の一員として9月24日のニュージーランド代表戦に出場していたPRポネ・ファアマウシリが3番をつける。新たに司令塔を任されたのは22歳のテイン・エドメド。そして、7人制代表として東京オリンピックにも出場した快足ランナーのディラン・ピーチが11番でスタートする。先週、秩父宮で後半から出場していたHOビリー・ポラードとFLブラッド・ウィルキンは先発のチャンスを与えられた。

 リザーブは、6人が今回のツアー初の試合メンバー入り。腕の負傷から立ち直り、ワラビーズ復帰と来年のワールドカップスコッド入りを目指すFBトム・バンクスらが名を連ねた。

▼オーストラリアA
※ 画像をクリックするとPDFで大きく表示できます。

<オーストラリアA 試合登録メンバー>
1.マット・ギボン Matt Gibbon(メルボルン・レベルズ/豪代表 2 caps)
2.ビリー・ポラード Billy Pollard(ACT ブランビーズ/豪代表 1 cap)
3.ポネ・ファアマウシリ Pone Fa’amausili(メルボルン・レベルズ/豪代表 3 caps)
4.ニック・フロスト Nick Frost(ACT ブランビーズ/豪代表 5 caps)
5.ケイデン・ネヴィル Caderyn Neville(ACT ブランビーズ/豪代表 2 caps)
6.ネッド・ハニガン Ned Hanigan(NSW ワラターズ/豪代表 25 caps)
7.ブラッド・ウィルキン Brad Wilkin(メルボルン・レベルズ)
8.ランギ・グリーソン Langi Gleeson(NSW ワラターズ)
9.ライアン・ロナーガン Ryan Lonergan(主将/ACT ブランビーズ)
10.テイン・エドメド Tane Edmed(NSW ワラターズ)
11.ディラン・ピーチ Dylan Pietsch(NSW ワラターズ)
12.ベイリー・クンツル Bayley Kuenzle(ウェスタン・フォース)
13.ハドソン・クレイトン Hudson Creighton(ACT ブランビーズ)
14.スリ・ヴニヴァル Suli Vunivalu(クイーンズランド・レッズ/豪代表 1 cap)
15.ジョック・キャンベル Jock Campbell(クイーンズランド・レッズ)

16.リッチー・アシアタ Richie Asiata(クイーンズランド・レッズ)
17.ハリー・フーパート Harry Hoopert(クイーンズランド・レッズ)
18.トム・ロバートソン Tom Robertson(ウェスタン・フォース/豪代表 27 caps)
19.セル・ウル Seru Uru(クイーンズランド・レッズ)
20.ローリー・スコット Rory Scott(ACT ブランビーズ)
21.テディ・ウィルソン Teddy Wilson(NSW ワラターズ)
22.ハミッシュ・スチュワート Hamish Stewart(ウェスタン・フォース)
23.トム・バンクス Tom Banks(ACT ブランビーズ/豪代表 20 caps)