10月2日、関東大学リーグ戦1部の第3節がおこなわれ、接戦の末に流経大が日大を26-20で下し全勝をキープした。
この日は風の影響もあり両チームともにミスが目立ち、自らのチャンスを活かせない場面も多かったが、前半3トライを挙げた流経大が、後半、日大の猛攻に耐えて少ないチャンスを得点につなげた。
昨季は5位に終わった流経大だが、今シーズンは開幕から3連勝。内山達二監督は、チームの好調の要因として「土居大吾キャプテンを中心に一戦一戦成長していること」を挙げる。「夏合宿も厳しい結果だったが、我慢しながら一つひとつ乗り越えていってチームがまとまった」。
土居主将も「いままではリーグの首位を争っていたけど、(昨季は5位で)今年はそれが当たり前ではないし、勝てることも当たり前ではない。今年は一つひとつ勝っていこうという覚悟がチームにある」と話す。そのチームの覚悟が開幕3連勝という結果につながっているという。
試合は日大がSH前川季蘭のPGで先制したが、その後流経大はゴール前ラックからボールをピックしたLOアピサロメ・ボギドラウがそのままインゴールまで運び、ゴールも決まって7-3。20分過ぎにもゴール前ラックから大きく左に飛ばしてWTB堀井雄登が左隅にトライを挙げた。
対する日大は、「前半は風下で、とにかくガマン」(SO饒平名悠斗)の戦い。流経大のキックに対して自陣からでも積極的にパスでつなぎ、30分過ぎにはWTBナサニエル・トゥポウが大きくゲインして内側をサポートするSH前川に返し、一度は相手にボールを奪われるも再度確保し、最後は右に大きく展開してWTB水間夢翔が右ミスにトライを挙げた。
前半終了間際には、日大が自陣からBKで展開したか、流経大WTB堀井が強烈なタックルでこれをつぶし、こぼれ球をCTBリクアタ・テアウパが拾ってそのままインゴールに持ち込んでトライ、ゴールも決まって19-8とした。
後半、風上に立った日大は、流経大がシンビンで一人選手を欠く中、8分には敵陣スクラムから左に展開してWTBナサニエル・トゥポウがトライして19-15とし、さらに15分には相手ボールラインアウトからこぼれ球を拾ったPR春野星翔が前進、ボールをもらったLO太田寿一郎がそのままライン際を走って左隅に飛び込み19-20と逆転した。
追加点を挙げたい日大は、キックでエリアを取りに行くが、デッドゴールラインを越えてしまったり、PKからのタッチキックがノータッチになったりと小さなミスが重なりリズムに乗りきれない。
逆に流経大は25分、相手の反則からゴール前ラインアウトを得るとモールで押し込み、最後はHO作田駿介がトライ、ゴールも決まって26-20と逆転した。
終了間際に日大は流経大ゴール前で猛攻を見せるも、流経大も必死のディフェンスでゴールラインを死守、最後はゴール前ラックでボールを奪取、SH幸妻怜治が蹴り出してノーサイドとなった。
試合後、日大・中野克己監督は「後半風上に立って、もう少しアタックの時間を増やしたかったが、小さなミスも出て自分たちの力を出し切れなかった」と試合を振り返り、平坂桃一主将も「最後ゴール前でチャンスを取りきれないというところが今日の敗因」と悔しそうな表情を見せた。PKからのタッチキックで得たゴール前のマイボールラインアウトをノットストレートで活かせなかったり、難しい位置もあったとはいえ、5度のゴールキック(PG2回含む)を外したのも今後の修正課題といえるだろう。
一方、勝った流経大・土居主将は「日大のアタックに受けてしまう時間が多くて、反則も続き自分たちがやりたいラグビーができていない時間帯も多かったけど、最終的にチームで勝ちきれたというのは自信にもなったし、次の東海大戦につながる試合になったと思う」と振り返る。
また自らのチャンスをつぶした反則の多さ(19個)については「ひとり一人がトライを取りたいという欲が出てしまい、ボールを味方に供給する細かいところであったり、ブレイクダウンの寄りが遅くなったりして反則を取られてしまっていた。意識の部分なので2週間で修正できる」と分析する。
勝った流経大は、10月16日に太田市運動公園で一番のヤマとなる東海大戦と対戦する。「2週間、最高の準備をして東海に挑みたい」と土居主将は決意を口にした。
日大はセナリオH三郷で好調・東洋大を迎え撃つ。こちらも負けられない一戦となる。