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「俺たちは弱い」から奮起。一戦必勝の流経大が大東大を破り開幕2連勝。

2022.09.26

前半31分にリードを広げるトライを挙げた流経大CTB土居大吾主将(撮影:松本かおり)

 今季の関東大学リーグ戦1部は、開幕から昨季の下位チームが上位チームを破る逆転劇が続いている。9月25日、セナリオハウスフィールド三郷でおこなわれた第2節もそうだった。
 流経大が大東大を43-29で破り開幕2連勝とした。

 流経大は昨季、部内のクラスターによる長期の活動停止が響き5位に沈む。その開幕戦では、この日戦った大東大(昨季3位)に7-29で敗れていた。
「去年は初戦で敗れてから(そのまま)厳しいシーズンになったので、リスタートの思いで迎える意味でも今日、大東に勝てたのは自信になりました。非常に重要なゲームだったと思います」(流経大・内山達二監督)

 しかし、序盤に主導権を握ったのは大東大だった。先制トライは3分。
 ラインアウトを起点にPR河村樹来がゲインラインを切ってチャンスを作ると、最後は外に振ってWTB松田武蔵がインゴールに入った。

 7分にPGを決められて5-3とされるも、直後の10分には自陣からFB神田永遠がラインブレイク。さらに外側へのキックパスがWTB小田嶋生吹へと渡り、FL吉瀬航汰主将がトライを奪った(10-3)。

 幸先よく2トライを奪った大東大だったが、風下の前半は流経大のキックに翻弄されて徐々に流れを渡してしまう。

 流経大は15分、相手のキック処理のミスで得た5㍍スクラムから同点に追いつくと、直後にFB谷惇平が50/22のキックを決める。そして21分、当日急遽先発入りしたLOティシレリ・ロケティ(1年)がスクラムの最後尾からパワフルなボールキャリーで逆転のトライを挙げた。

 その後もFB谷のキックやスクラムなどで優位にゲームを進めた流経大が31分、37分、40分とトライを畳みかけて36-10と大量リードを奪った。

 前半を終えて流経大の大勝かと思われたが、後半は風上に立った大東大が息を吹き返す。11分、19分と連続トライを奪って2トライ差まで点差を縮めた(22-36)。
 この間、シンビンでピッチの外にいた流経大のCTB土居大吾主将は「この2トライは僕のせいだと。守りに入っていたので流経らしいアタックをしようと(戻った時に)話しました」。

 以降も大東大は敵陣で戦い続けたが、勝負どころでスクラムの反則とラインアウトでのミスを重ね点差を縮められず。
 なんとか自陣を抜け出した流経大が36分、LOロケティの中央突破でダメ押しのトライ、追撃を絶った。
「あの時間帯は流経にとっても我慢の時間だったと思うが、どちらが集中力を切らさずにやれるかというところで、自分たちの方が先に切れてしまった」と大東大・吉瀬主将は唇をかんだ。

 開幕から2連勝とした流経大は、「一戦一戦に懸けて、大東大にも本気で勝つ準備をしてきたので、この勝利は自信になる。次につながるゲームになった」(土居主将)。
 土居主将は昨季と今夏の成績を踏まえて、この秋に臨んでいた。

「夏は慶應、関学、京産と戦いいずれも苦しい試合になった。去年も5位ですし、夏を終えてからもう一度『俺らは弱いんだ』と自負した上で、チャレンジャーとして戦おうとリーグ戦に臨みました。まだまだ伸び代しかない。ここからさらに成長できたらと思います」

 10月2日の日大戦に向けては、ディフェンスが大きな課題となりそうだ。
「(今日の)後半は向かい風と分かっていたので苦しい展開になると予想していましたが、ディフェンスでのペナルティが思ったよりも起きてしまった。そこは修正しないと。(シンビンを受けた)自分自身もまだまだで、まずは自分が守るべきところを守り、やるべきことをやらないといけない。それからチームをオーガナイズできるようにしていけたらと思ってます」

 一方の大東大は開幕戦でも法大に逆転負けを許し、2連敗となった。
 日下唯志監督はここまでの試合を振り返り、自軍の修正点を挙げる。
「セットプレーの優劣は大きく試合を左右するなと。ラインアウトでボールを獲得したり、スクラムでペナルティを取れれば、すごくいい循環になる。あとは我慢して反則をしない、規律を守ること。その2つをやるだけでもガラッと変われると思ってます」

 翌週(10月2日)の相手は、東海大、関東学大を破って快進撃を続ける東洋大だ。日下監督は勢いに乗るチームを警戒しながらも、先の修正点を踏まえて言う。
「相手の分析することももちろん必要ですが、まずは矢印をこちらに向けることが大事だと思ってます」

4年生になった流経大LOアピサロメ・ボギドラウ(撮影:松本かおり)