関東大学リーグ戦2部以下も9月に開幕した。1924年の創部以来、初の2部に降格した中央大は9月25日、朝鮮大と第2節を戦い、11トライ10ゴールの猛攻で75-24(前半35-12)と完勝した。開幕戦では国士館大を41-14と破っており、2連勝と順調なスタートを切った。
この試合、前半からディフェンスで圧力をかけてPKを得るとラインアウトへ。モールで押し込む戦い方がはまった。先制はわずか開始1分。中大キックオフを確保した朝大に迫ると、朝大が反則。ゴール前、左ラインアウトからモールを押し込み、HO光安喬平(2年、大阪桐蔭)がインゴールへ運んだ。コンバージョンはSO津田貫汰(4年、桐蔭学園)が右足で蹴りこんだ。
7分にも朝大22メートル線、中大ボールのスクラムで相手の反則、右ラインアウトへ。HO光安が2トライ目を奪った。
対する朝大は11分、中大陣へ入り、右ラインアウトからオープンへ。キックパスを受けた左WTB高利光(4年、東京朝高)が中大守備をくぐり抜けて左隅へ飛び込んだ。5点を返し14-5に。
しかし、中大は相手反則をしっかりと得点へつなぐ。15分、25分とHO光安がモールで取り切り4トライを記録(28-5)とすると、35分すぎにはスクラムトライ。朝大がトライを返すも35-12で折り返した。
体調不良で試合を欠場、仲間をベンチで鼓舞した中大主将のNO8山崎成太(4年、東京)は満足気だった。「開幕戦は難しい内容だったが、それを踏まえて自分たちのいいラグビー、いいアタックができた。今年の特長、相手よりも早くセットして早く走って優位に立つラグビー」を体現できた。
後半最初は、朝大に攻め込まれるも9分、自陣スクラムからつなぐとCTB水野陸(3年、東京)が右中間へしとめた。17分には敵陣22メートル内の右ラインアウトをHOで交代した武田烈輝(3年、桐蔭学園)がモールトライを狙う。ここは放してSO津田のトライへ。49-12と早くも試合を決めた。
21分、中大陣。朝大は主将のCTB金慶生(4年、大阪朝高)が速い詰めのディフェンスをしかけ相手パスをインターセプトすると、CTB金洸羽(2年、大阪朝高)のトライを生んだ。金は仲間に感謝する。「引いて守っていたら向こうが速いので、こっちから前に出る。相手が余っても。その時は他のバックスがバッキング(サポート)に回ってくれる信頼がある。あれはチームディフェンスが成功したトライ」
この後、中大は4トライ、朝大1トライを決め、75-24で終えた。中大SO津田は10トライ目までコンバージョンをすべて決めていた。試合終了目前の11トライ後、右からのゴールキックが外れると観衆からため息がもれた。
中大・山崎主将、「彼はいつも、皆が休んでいるときも一人グラウンドでキックを練習している。努力の賜物。今年のチーム目標は1部昇格。2部で全勝優勝して昇格する。そのためにチーム全員が同じ熱量をもってラグビーに取り組む。同じベクトルに向かっていくと話しています」。リーグ戦はまだ序盤、2部上位校との対戦も控える。「前年度、1部にいたのは過去の話。昇格に向けてチャレンジャーという立場で2部上位にチャレンジしていきます」と誓った。
LO野口祐太郎(3年、國學院久我山)も「チャレンジャーというモチベーションを持ち続ける」と続いた。
選手の躍動ぶりを評価するのは松田雄監督。「ディフェンス、アタックとも良かった。局面、局面で相手に激しく体をぶつけていく。目標の入れ替え戦へいけるようにしたい」
<グラウンドでは15対15。少ない部員で戦い続ける朝鮮大>
朝大はこの試合、リザーブ1名の16名で臨んだ。21名の部員、けが人が出て第1節の専修大戦は15名そろわず棄権した。金主将は話す。「リザーブがいないとか、それは言い訳にすぎない。グラウンド上では15名ずつ。15対15の勝負です。プライドを持って戦う。16名しかいなくても」。次節以降、けが人が復帰を始める予定だ。
4トライはつないで3トライを奪った。「前半から受け身にならず先手、先手でいこうと話していた。夏から作り上げてきたバックスのラインスピードを上げることなどでトライを取れた。フォワードも体格で負けていたが当たり負けはしていなかった。次につながる」(金主将)と前向きだ。
呉衡基監督は「自陣でペナルティを犯したら即、失点と話していたらその通りになった。上のレベルにはセットプレーで崩されるとやりたいことができない。(人数が少ないので)セットプレーの練習を積めない。中大に今後、B、Cチームとの練習もお願いしました。トライは自分たちがやってきたことをきちんと理解しているから」と分析する。
中大の松田監督は朝大を「いいチーム。人数が少ない中で戦っている。見習わないといけない」とリスペクトした。
関東大学リーグ戦2部は2節を終え、1部から降格した専修大が連勝(vs 朝鮮大 不戦勝、vs 国士館大 74-10)、4年ぶり1部復帰を目指す拓殖大も國學院大を34-14で下すと25日は山梨学院大を31-25で制し連勝を飾った。
第3節は1週休んで10月9日におこなわれる。中央大は白鷗大とぶつかり、専修大×拓殖大、朝鮮大×國學院大、そして山梨学院大と国士館大が対戦する。