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スクラム堅調の東京ガスが開幕戦白星。指揮官は「リーグワンのスタンダードで闘う」。トップイーストAグループ

2022.09.23

スクラムで流れを引き寄せた東京ガス(右)。(撮影/多羅正崇)

お互いにハードに戦った。(撮影/多羅正崇)
具直なLO。東京ガスのトロイ・カレンダー。(撮影/多羅正崇)
東京ガスの指揮を執る中瀬真広監督。(撮影/多羅正崇)



「現場を預かる立場として、選手には常に『リーグワンのスタンタードで闘わなくちゃいけない』という話はしています」 (東京ガス・中瀬真広監督)

 東日本の社会人リーグ「トップイーストリーグ」Aグループに所属する東京ガス。

 Aグループには東京ガスの他、ヤクルトレビンズ、セコムラガッツ、横河武蔵野アトラスターズ、秋田ノーザンブレッツが所属。12月10日までホスト&ビジターの全20試合を行い、勝ち点制で覇を争う。

 国内最高峰リーグワンの新規参入要件は未発表だが、東京ガスの中瀬監督は「少なくとも私は(リーグワンに)入っていく前提でやっています」。高いスタンダードを意識し、リーグ8試合に挑む。

 9月18日には東京・武蔵野市の横河電機グラウンドで開幕戦があり、時折強雨が打ちつける中、ホストの横河武蔵野を30−10で降した。

 主導権争いのカギは、スクラム戦とキックゲームの勝敗だった。

 雷雨によりキックオフが15分遅れた開幕戦で、まずホストの横河武蔵野がファーストスクラムでペナルティを奪取。フロントローはPR古澤陸、HO崩光瑠の31歳コンビ、帝京大学出身のルーキーPR山本渓汰だ。

 ここからラインアウトモールで勝負をした横河武蔵野がペナルティトライで先制。前半28分には元三菱重工相模原ダイナボアーズのSO渡邉夏燦のPG成功で10点リードを奪った。

 しかし横河武蔵野は以降の得点はなし。東京ガスはスクラム戦で優勢となり反転攻勢。再三ペナルティを奪い、主導権を握った。

「今年の春からチームのこだわるべき柱のひとつとして、徹底的にスクラムを強化してきました。強化担当に川邊(大督)コーチも呼びました。今日は勝負所で力を発揮してくれて相当良い成果が出ました」(中瀬監督)

 驚異的なキック力で陣取り合戦で貢献したのはFBトミー・ベル。英プレミアシップのレスター・タイガースなどでプレーした元U20イングランド代表だ。

「彼(トミー・ベル)は夏からの合流だったんですが、チームにすぐ溶け込んでくれて、さらにバックスの選手たちにいろんなコーチングをしてくれます。もう一人コーチが増えたような感覚でいます」(中瀬監督)

 スクラムとキックゲームで前進した東京ガスは、ゲーム主将で早稲田大学出身のSH山岡篤樹が躍動。

 前半32分には鋭い仕掛けでWTB新居良介のトライを演出。2分後には相手反則でみずから速攻し、PR鈴木健也がチーム2トライ目。ゲーム主将みずからモメンタムを生み出した。

 前半を4点リード(14−10)で折り返した東京ガスは後半圧倒。FBベルの3PGと橋本一真のトライで突き放した。愚直な両ロック、終盤まで足下に刺さった星谷俊輔、トロイ・カレンダーのハードワークも光った。

「キックオフの時間もずれたりして難しい試合でしたが、コントロール出来ないことにストレスを溜めるのではなく、自分たちのやるべきことに徹してくれたことが今日の結果に繋がったと思います」(中瀬監督)

 今季初勝利を狙う横河武蔵野は9月25日にヤクルトと第2戦がある。1勝の東京ガスは10月1日、本拠地グラウンドでセコムを迎え撃つ。


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