ラグビーワールドカップ(第9回女子大会)の開幕まで2週間となり、開催国ニュージーランドで準備を進めている女子日本代表“サクラフィフティーン”は、9月24日にオークランドのイーデンパークで世界ランキング2位の同国女子代表“ブラックファーンズ”に挑む。過去5回のワールドカップ優勝を誇るブラックファーンズと女子日本代表が対戦するのは今回が初めて。
前回のワールドカップで主将を務め、サクラフィフティーンで最も経験豊富なひとりである齊藤聖奈は6番で先発することとなり、「いままで10年くらい代表で活動させてもらっているが、世界でベスト4に入るようなチームとテストマッチを組める機会はなかったので、(日本の)女子ラグビーが進化してきたのをすごく感じるし、嬉しい気持ちでいっぱい。もちろんワールドカップは見据えているが、まずは目の前の一戦一戦に取り組んでいこうと思っているので、ブラックファーンズとの試合にフォーカスしたい」と意気込む。
ルイース・ダルグリーシュ アシスタントコーチは、「チームとしてはチャレンジととらえていて、現在地を確認する機会。さまざまなコンビネーションを試してきた結果として、セットピースやキックカウンターなど、詳細を突きつめられると思う。どのくらい進歩できてきたのか確認したい。ブラックファーンズを相手に自分たちのディフェンスシステムで何が通用するのか確かめたり、ゲームのなかでのディシジョンメイキングや問題解決が試されてくると思う」とコメントした。
特にディフェンスは女子日本代表の強みであり、体が大きい選手も多いブラックファーンズの勢いを止めることが重要ポイントだと見ている。
今夏のアイルランド代表戦ではラインアウトのミスが目立ったが、ロックで先発する高野眞希は、「菅平合宿や、ニュージーランドに来てからも、新しいムーブに取り組んできた。自分たちがどこまでできているか試してみたい」と述べ、世界トップクラスとの空中戦に挑む。
高野はかつてウェリントンに留学していたことがあり、イーデンパークでプレーするのは2度目となるが、ラグビー大国の聖地で桜のジャージーを着るのは格別であり、「ワールドカップ前に本当に強い相手と戦うことができるのは嬉しいこと。自分たちが積み上げてきたものを出せるいいチャンス」と燃えている。
女子日本代表は8月27日に秩父宮ラグビー場で、当時世界ランキング6位だったアイルランド代表を29-10で倒したが、そのときの先発メンバーのうち13人が今回もキックオフからプレーする。
ユーティリティBKの松田凜日はフルバックから左ウィングにポジション変更。ダルグリーシュ アシスタントコーチは、「特にショートサイドのアタックでいいパフォーマンスを見せてくれるのではないか」と期待している。
替わって15番をつけるのは平山愛で、5月のオーストラリア遠征でフィジー代表戦に先発して以来の出場となる。キック処理についてレスリー・マッケンジー ヘッドコーチの評価は高く、ボールキャッチからの鋭いカウンターを見せたいところだ。
試合に出られなかった期間を経て、メンタルの成長も感じているという平山は、「自分がやるべきことをやる。自分のベストを出せるように集中している」とコメントした。
▼女子日本代表 試合登録メンバー
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1.南 早紀(主将/横河武蔵野アルテミ・スターズ/25 caps)
2.永田 虹歩(国際武道大学女子ラグビー部/8 caps)
3.ラベマイ まこと(横河武蔵野アルテミ・スターズ/17 caps)
4.佐藤 優奈(東京山九フェニックス/6 caps)
5.高野 眞希(横河武蔵野アルテミ・スターズ/16 caps)
6.齊藤 聖奈(MIE PEARLS/31 caps)
7.細川 恭子(MIE PEARLS/7 caps)
8.永井 彩乃(YOKOHAMA TKM/10 caps)
9.阿部 恵(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/10 caps)
10.大塚 朱紗(RKUグレース/9 caps)
11.松田 凜日(日本体育大学ラグビー部女子/5 caps)
12.中山 潮音(横河武蔵野アルテミ・スターズ/7 caps)
13.古田 真菜(東京山九フェニックス/14 caps)
14.名倉 ひなの(横河武蔵野アルテミ・スターズ/10 caps)
15.平山 愛(自衛隊体育学校PTS/4 caps)
16.加藤 幸子(横河武蔵野アルテミ・スターズ/10 caps)
17.谷口 琴美(MIE PEARLS/3 caps)
18.左高 裕佳(弘前サクラオーバルズ/12 caps)
19.玉井 希絵(MIE PEARLS/13 caps)
20.長田 いろは(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/15 caps)
21.津久井 萌(横河武蔵野アルテミ・スターズ/19 caps)
22.今釘 小町(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA・立正大学ラグビー部/9 caps)
23.伊藤 優希(MIE PEARLS/11 caps)