ラグビーリパブリック

書道家・武田双雲と共創。BL東京がスローガンに魂吹き込む。ホーム平均観客数は、ほぼ倍増の8000を目指すと宣言。

2022.09.13

武田双雲氏、熱っぽくラグビーを語る(撮影:BL東京)

 9月12日、府中の東芝事業所内で東芝ブレイブルーパス東京(株)の定例会見がおこなわれた。8月15日のチーム始動会見に続いて2度目の発信。クラブでは毎月会見を開き、シーズンに向けた情報発信の姿勢をアピールしていくようだ。

 今回の会見の内容は主に三つ。一つは、チームスピリットの「猛勇狼士」を、書道家 武田双雲氏の筆で表現してもらったことの発表。もう一つは新シーズンの事業目標。そして、リーチマイケルらが取り組む『アジアプロジェクト』の立ち上げについてだ。

 事業目標については、登壇した荒岡義和社長から具体的な数値が示された。

次シーズンの事業売り上げは5億、うち、東芝を除くスポンサー収入を2億と設定した。入場者数の先シーズン実績は4377人(資料:BL東京)

 荒岡社長は、3年後の売り上げ目標を掲げ、その達成プロセスとして新シーズンの目標を5億円とした。現状の約3億円から大幅な積み増しとなる。東芝を除くスポンサー収入目標は2億。これはほぼ達成の見込みがついているようだ。ホストゲームの平均入場者数は目標8000を掲げた。前季は4377人(リーグワン5位)。今年は、昨年の倍ほどの成果を上げにいくことになる。

 どのようにこの数字を叶えていくかが大切だ。荒岡社長はそのコンセプトとして「世界有数のユニークなラグビークラブに」たるフレーズを掲げた。

「ユニークといっても突飛なことをするわけではない。大事なことは自分の頭で考えること。前年はすべてが初めてのことで、(興行面で)他競技などの真似をすることが多かったと思う。今年はそこから、ラグビーらしい、ブレイブルーパスらしい工夫をしていくべき。たとえば、ラグビーの選手やチームには、一人ひとり、一つひとつにバックストーリーがある。それをフィーチャーしていくのも、ラグビーや私たちのチームの、魅力の発信に繋がると思っている」

アジアの選手とコーチを育てる『アジアプロジェクト』も発表(撮影:BBM)

『アジアプロジェクト』は、薫田真広GMが星野明宏プロデューサーとリーチに進行を指示したもの。アジアの選手やコーチを招き、ブレイブルーパスで強化やメソッドの共有をおこなっていく。オンラインのツールも活用し、広い年代にわたって発掘、育成する。星野プロデューサーによれば、同様の事業は日本において個人レベルで長年取り組んでいるケースもあり、そうした人々との連携も積極的におこないたいと考えている。リーチは母校である札幌山の手高校を通じて、すでにモンゴルからの留学生選手を迎えるなど、独自の事業経験を持っている。こうしたノウハウを集積し、チームとしてビジネスに昇華していく。

自ら、したためた書を発表した(右は荒岡社長/撮影:BBM)
選手、運営スタッフとも対面し、執筆の思いを伝えた武田双雲氏(撮影:BBM)

 日本を代表する書道家・武田双雲が『猛勇狼士』の四文字をメディアの前に掲げた。

「書いて思ったのは、GMもおっしゃっていたように非常に猛々しいなと。ケモノへんがが多いし、勇という字も入っている。それでいて士という対極の言葉も最後に来る。これは荒々しくも、フィールド外では紳士の振る舞い見せるラグビーらしさを表しているのだろうと感じました」「ラグビーは歴史や現状を聞くにつけ、今がビッグバンの時なのだろうと直感しています。その時期にこうした関わりを持たせていただき、鳥肌が立っています。この革命の時期に呼応するものを残したい。感動しながら、書きました」

 選手やスタッフにも書に込めた思いを伝えた。作品のお披露目の瞬間、初めてこれを目にした選手たちからは歓声とどよめきが上がった。

「日本一の書道家と伺い、実際に書を拝見して、改めて気持ちが入った」とは共同主将の德永祥尭。「ワイルドさを感じたし、これに恥じない集団になっていきたい」。トッド・ブラックアダーも「このスピリットは素晴らしい。チームも体現を目指す」とメディアに話した。

チームスピリットの四文字を、書家に表現してもらった(資料:BL東京)
こちらはクラブスローガンのコピー(資料:BL東京)
荒岡社長が宣言したクラブの事業コンセプト。ラグビーらしく、BL東京らしいものを構築していく(資料:BL東京)
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