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明大33-22筑波大。シーソーゲーム制した、メイジの意地とドライブ能力。

2022.09.11

明大SO伊藤耕太郎と筑波NO8谷山隼大(撮影:松本かおり)

「筑波大はしっかりと我々に対する準備をしてきた印象。一方で、自分達の伸び代があることも感じ取れた」(明大・神鳥裕之監督)

 前半終了間際までスコアは12-12だった。後半も36分まで4点差に食い下がられた。対抗戦初戦を筑波大と戦った明大が、33-22で苦しみながらも勝利を挙げた。

「自分達のミスが多く、思うようにいかなかった。開幕戦の緊張もあったと思う」(明治・石田 吉平主将)

 試合の入りから、筑波の鋭い前進に苦しんだ。明治は開始5分で先制トライを挙げているように、攻め始めれば総合力の高さで確実に陣を前に進めた。しかし、ひとたび筑波にボールを持たれると、なかなか相手の攻撃を断ち切ることができなかった。

 明治が開始5分で7-0とした後、9分にはトライを奪われ7-7に追いつかれた。ラインアウトからモールを作られた場面は押し返して凌ぐも、早めから勝負を仕掛け、策を繰り出してくる相手に対し、後手に回った。24分、34分には自陣で反則を犯してPGチャンスを献上、筑波側がこれを決められずスコアが動かなかったのは、明治にとって「ラッキー」だった。

 明治は50/22の見事なキックを決めながら、その後のラインアウトでノットストレート…などイージーなミスが痛かった。前半30分にはスクラムでコラプシングを取られるなど自らフラストレーションも溜める。2度目の自陣前相手ボールラインアウトを起点にCTB浅見に突進を許し、前半36分、連続失点で明治7-12筑波(G失敗)とされた。

「らしさ」が出たのは、7-12とリードされた直後のキックオフからすぐに12-12と追いつくトライ(39分/齊藤誉哉ゲーム主将)。そして、前半終了間際の選択だ。敵陣ゴール正面で得たPKをあえてスクラム選択、FWの意地が垣間見えた。SO伊藤耕太郎が個人の判断で反対サイドに回り込んでそのままトライ。熱く、冷静な1本でリードを設け前半を終えた(G失敗で明治19-12筑波でハーフタイム)。

 明治は相手のキープレーヤーの存在に手を焼き、中盤で反則を重ね自陣に踏み込まれたが、後半は一度もリードされることはなかった。後半投入のWTB石田吉平主将らも存在感を示し、後半36分にはラックサイドを一気呵成に複数選手のランで攻略して決勝トライ(石田主将)。G決まって明治33-22筑波と突き放した。総じて、連続攻撃を重ねればゲインは刻めた。ボールを出すテンポ、FWの前進力、アタックラインのスピードとフィジカル、いずれも明治が上回っていた。地の力の確かさは伺えた。

「準備してきたことが合わず、修正に時間がかかってしまった」とは石田吉平主将。明治はここひと月ほど、ケガ人だけではなく体調不良者が続いてチームとしてのコンディションが整わない状態が続いていた。その調整の遅れの影響と、対抗戦初戦、筑波という難敵を向こうに回しての緊張が重なったようだ。

 筑波大は開始から勝負の姿勢をあらわにして襲い掛かった。NO8に入った万能選手・谷山隼大と、韋駄天ぶりが目を引くWTB大畑亮太の存在を際立たせ、決め事のムーブからのキャリーなどで相手ディフェンスに針や杭を打ち込んでいった。後半13分には同点、後半36分までは4点差に迫っていた。

 試合後、PR木原優作主将は「明治はこちらのすきを見逃してくれなかった。最後の20分、集中力で相手を上回ることができなかった」と肩を落とした。嶋崎達也監督は選手の奮闘を称えつつも、「善戦をしにきたわけではない。それは誰もが共有していること」と部員たちの悔しさを代弁した。筑波は昨季、帝京、早稲田、明治、日体大に敗れて6位に沈んだ。今季第2週は早大(昨季2位)にチャレンジする。

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