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開幕直前! トップイースト監督、コーチ座談会(前半)。山梨、富士BI、明治安田、日立、丸和編

2022.09.02

上段左から山梨・福島HC、明治安田・長田HC、富士BI・小熊HC。下段左から日立・田井中HC、丸和・内山HC



 ジャパンラグビートップイーストリーグの2022年シーズンがまもなく開幕する。
 リーグワンの開催が12月中旬以降となるため、社会人ラグビーファンなら秋のラグビーシーズンはトップイースト、トップウエスト、トップキュウシュウらの大会に関心を向けてみるのもいいだろう。

 そこで強豪大学チームを卒業した選手、リーグワンを引退した選手なども多く活躍するトップイーストリーグの監督、ヘッドコーチにお集まりいただき、各チームの戦力や互いのチームについての分析を座談会形式で伺った。

 2回にわたってお届けする企画、前編は9月11日に第1節を迎えるトップイーストグループBの5チームだ。
 文中各チーム一押しの選手紹介もあるので注目願いたい。

昇格して勢いのある丸和運輸が台風の目か。
昨年ドローの富士BI vs 明治安田2年越しの決着は?

司会(ライター鈴木、以下司会):今日はお集まりいただきありがとうございます。いよいよトップイースト開幕となるわけですが、第1節で対戦する相手に対して、どんなチームと分析しているのか、どう戦うのか、差し障りのない範囲で教えてください。

クリーンファイターズ山梨 福島正人ヘッドコーチ(以下、山梨):ウチは丸和さんと対戦しますが、若い勢いのあるチームで強化も順調に進んでいるようで、グランドも素晴らしいですし、脅威に思っています。初戦にして大一番だと思っています。我々としては経験値という部分で対抗して、いいゲームにしたいと思っています。

丸和運輸機関AZ-MOMOTARO’S 内山将文ヘッドコーチ(以下、丸和):山梨は体も大きく、経験値の高い外国人もいるので、対戦が楽しみです。

司会:これは若さ対ベテランの対決という感じになりそうですね。

山梨:おじさんパワー全開で頑張ってゆきます(笑)。

明治安田生命ホーリーズ 長田悟ヘッドコーチ(以下、明治安田):ウチの初戦も丸和さんなのですが、昨年一度春季大会で対戦して、ちょっと冷や汗をかきました。確かに若手が多く勢いのあるチームです。私が言うのもなんですが、グラウンドも含めて、しっかり強化しているチームは強くなっていくのかなと思います。我々も気を引き締め、メンタリティのところも含めて、集中してやりたいです。

日立SUN NEXUS 茨城 田井中啓彰ヘッドコーチ(以下、日立):(Cグループから昇格してきたので)丸和さんがどんなラグビーをするのか楽しみです。

丸和:実は、過去に全チームと対戦しているのですが、一つも勝てていません。僕らがどこまでチャレンジできるのかなあという感じです。その意味で今回の対戦は、楽しもうと、チーム内では言っています。

司会:なんとなく丸和さんが台風の目になりそうな予感ですね。

日立:ウチの初戦は富士フイルムビジネスイノベーショングリーンエルクス(以下、富士BI)さんですが、昨年は負けています。前に出るディフェンス、FWのセットプレーも強いので、そのあたりにどう対抗するかですね。

富士BI 小熊康洋ヘッドコーチ:昨年はコロナの影響で、日立さんとの対戦は1試合でした。その試合で日立さんはキックとスピードのあるランナーを有効に使い、統制のとれたチームだなと思いました。ですので、あまり勝ったという印象はないです。ちなみに私は田井中コーチの大学の後輩でもあるので、その点でも対戦は楽しみです(笑)。
 初戦以外では、明治安田さんとの対戦もとても楽しみにしています。昨年1勝1敗だったので、今年は白黒つけられればいいなと思っています。

各チームの個性は?
スピードの日立、パワーの山梨、ディフェンスでは明治安田と富士BI。
丸和はコンタクトプレーに自信。

司会:では次に「ウチのこのプレーを見てほしい」というものを事前に考えてきてもらいました。まず山梨さん、大型CTBの攻撃力とあります。

山梨:クリスチャン・ロアマヌとシオネ・トケ。大柄なトンガ人2名を並べるなどして、BKのゲインライン突破の原動力にしていきたいと考えています。相手がディフェンスに人数をかけるような展開にもっていきたい。(写真①②)

富士BI:ウチはディフェンスをテーマにやってきました。ディフェンスでプレッシャーをかけてやっていきたいです。(写真③④)

明治安田:ウチも原則に立ち返って、ディフェンスでどれだけ時間とスペースを取れるかということで、取り組んでいます。(写真⑤⑥)

司会:山梨の大型BK対ディフェンスが売りのチームの激突は楽しみですね。富士BIと明治安田さんの対戦は通ごのみの、ラグビーファンにはたまらない試合になりそうですね(笑)。

日立:ウチはゲームスピードにこだわります。グラウンドを広く使って、パススピードだったりランスピードだったり、どこまでできるか楽しみです。(写真⑦⑧)

丸和:ウチはコンタクトを挙げました。Bグループはこれまでとはスピードも体の強さも違うと思うので、そこにどこまで通用するのか見てみたいです。(写真⑨⑩)

司会:どうやら、バチバチと体を当て合うところが見どころになりそうですね。トップイーストは観客がグランドの脇で観戦できますから、迫力のあるプレーを間近で味わえると思います。

【山梨イチオシ選手】
ヨーロッパでもまれてきた元日本代表クリスチャン・ロアマヌ(CTB/写真左)が加入。若い選手へのアドバイスもしている。天理大卒の池田将大(PR・LO/写真右)。体のサイズも大きく、パワフルなプレーに期待が集まる。
【富士BIイチオシ選手】
共同キャプテンのFL股野航(写真左)は、國學院大でもキャプテンを務めた。「命が惜しくないのかというようなタックルを見せてくれる」(小熊HC)プレーに注目だ。関東学院大出身、WTB関口諒(写真右)は、学生時代にリーグ戦ベスト15に選ばれた実績を持つ。チーム最年長32歳。
【明治安田イチオシ選手】
160センチのPR津久井鉄人(写真左)は、グランドで一番声を出す姿は相手チームからも人気者。関東学院大ではキャプテンを勤めたCTB青山晃(写真右)は、「口数は少ないがアタックもディフェンスもハードワーカーで真のラグビープレーヤー」(長田HC)

ホーム&アウェー方式のみどころは?

司会:ところで、Bグループはホーム&アウェー方式です。これによる難しさはありますか?

山梨:実力拮抗のチーム同士なので、息が抜けませんね。
富士BI:2回対戦するということで、分析なども難しくなるのですが、そこがまた面白さでもあります。

司会:手の内を知り尽くした者同士の戦いになるということですね。

明治安田:2戦目になるとかなり対策を打ってきますので、それにどう対処するかはコーチ陣、チームの力が問われることになります。実は昨年のウチは、アウェー戦でほとんど負けています。1戦目をどう勝つかというのは結構大事になりますね。

日立:ウチがまさに、明治安田さんとの2戦目に勝てたんです。そこで選手の成長を感じられました。

丸和:その話、勉強になります。心構えも引き締め直します(笑)。チーム力全体を問われるリーグです。それをお客さんに見せていきたいですね。

【座談会を終えて】
 トップイーストリーグは、職場で責任ある仕事をしながらプレーしている選手が多い。職場の同僚たちが声援を送るために試合に足を運んでくれる、という古き良き社会人リーグの雰囲気を色濃く残している。
 リーグワンがプロリーグの色合いが濃くなっていく中、こうしたアットホームな雰囲気もまたトップイーストの魅力ではないかと、取材を通じて感じた。

 リーグ戦は9月11日より開幕し、各チーム2回総当たりで全20試合。11月20日(日)、12月3日(土)には秩父宮でも開催される。(後編ではAグループ5チームを紹介予定)

【日立イチオシ選手】
FL中村龍太郎(流経大卒/写真左)は、FWリーダーで「ジャッカルでもボールキャリーもフィジカルが強い」(田井中HC)頼れる選手だ。WTB横瀬慎太郎(流経大卒/写真右)は、「この選手がボールを持つとワクワクする」(田井中HC)というスピードに注目したい。
【丸和イチオシ選手】
6年ほどキャプテンを務めるFL眞野拓也(京産大卒/写真左)は、東芝で活躍する弟に刺激され「トップイーストも熱くする」という思いが強い。FL藤山裕太朗(写真右)は、東海大、中国電力、オーストラリアでのプレー経験がある。経験値を買われて今年からバイスキャプテン。


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