来年の自国開催のワールドカップまで1年あまりとなったこの夏休み、フランス国内では『ラグビーワールドカップ列車』が登場した。
本大会公式スポンサーであるSNCF(フランス国有鉄道)とメタ・プラットフォームズ社の協力により実現した4両の特別仕様車は、車内に入るとヴァーチャル・リアリティーを体験できる。
来年9月8日の開幕戦のフランスxニュージーランドの会場に向かうところから、サポーターに埋め尽くされたスタジアムに入り、選手の入場や国歌斉唱とキックオフまでの試合当日の会場の雰囲気を味わうところから始まる。
次にスクラムマシンが設置されており、スクラムを体感できる。
実技の後は学習コーナーになっており、ラグビー用語やポジションの説明、参加チームのジャージーが予選プールごとに展示されており、各チームの国歌も聞ける。
またラグビーの歴史に関するコーナーでは、1823年(来年でちょうど200年!)にラグビーを生み出したウェッブ・エリスの紹介があり、過去の試合の名場面の映像も見ることができるようになっている。
最後にこの展示のハイライトとなっているウェッブ・エリス・カップに到着する。
ラグビー通も、そうではない人も楽しめるような工夫が見える。いかにもフランスらしい仕掛けだ。
フランスのニュース専門局『BFM』のリール支局のニュースで車内の様子を覗くことができる(フランス語)。
最初にスクラムを体験した男性は、「ラグビーのことはよく知らないけどスクラムを体験してみて、思っていたよりもずっと力が必要だとわかった。いい経験ができた」と話しており、2人目の日本代表ジャージーの前で取材に応じる男性は「子供の頃からラグビーが大好き。代表チームのジャージーの展示やエピソード、過去の名場面が見られるのも嬉しい。さらにウェブ・エリス・カップまで!素晴らしい」と話す。
最後にフランス2023組織委員会リール局局長が「ラグビーのこと、そして大会のことを知ってもらいたい。大会まで1年、フランス代表チームは好調、これからさらに盛り上がる。展示を見に来てくれた人が目を輝かせて列車を降りて来てくれるところを見たい」と意気込みを語っている。
ワールドカップ列車は、プール戦5試合が行われるフランス北部のリールから7月21日にスタートし、ナント、ボルドー、マルセイユ、ニース、サンテチエンヌ、リヨン、トゥールーズの試合開催都市を含めた50の駅を巡回、114日間で11000km走行し 11月10日に終点パリに到着する。
このイベントと並行して、試合開催地の9都市では、『ラグビー・ヴィレッジ』というラグビー体験のイベントを、これらの9都市にモンペリエ、ブリーヴ、アジャンなどのラグビー盛んな5都市を加えた14の駅では、ラグビーの写真展も開かれている。
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