「REP出身ですか?」
「実は私も」
近い将来、ラグビー界隈でそんな会話が交わされるはずだ。
REPとは「ラグビー・エンパワメント・プロジェクト」の略。日本協会が昨年発足させた取り組みだ。
これから進路を決める若い人に、ラグビーの精神を活かして社会やラグビーの現場で活躍する先輩から学んでもらい、よりよい未来の実現に寄与するための人材育成を目的とする。
対象は女子高校生。5月末から日本協会HPで募集、選考を経て、今季は17名が受講する。
プレーヤーもいれば、ラグビー関連の職業を希望する学生と様々だ。
昨年はすべてオンラインでの講習だったが、2回目の今年は全国各地から13 名が熊谷市に集合。8月6日から3日間、講習を受けた。
カリキュラムは西機真・JRFU普及育成委員長のあいさつでスタート。日本協会普及育成部門の職員が、自身がラグビーに魅せられ、協会で働くまでの体験談をもとに、ラグビー憲章や協会の役割を説明。受講者は熱心にノートをとっていた。
2日目は熊谷ラグビー場に学びの場を移動。記者会見室を教室に、インタビューの仕方や熊谷市のラグビーの取り組みなどを聴講した。午後ラグビー場見学。普段は入ることのできないVIPルームや選手のロッカーに、講習中とは別の顔も見られた。
今回は昨年の受講者である藤枝奏美さんもスタッフとして参加した。
藤枝さんは、弟がラグビー部に所属。自身は陸上に打ち込んだ。その経験から、スポーツ選手の栄養の重要性を痛感。将来的に選手の食をサポートする仕事に就きたいと、現在は大学で栄養学を学んでいる。
「昨年はすべてがオンラインだったので、実際に顔を合わせて学べるのがとても羨ましいです。去年のREPで学んだことがとても役立っているので、これからぜひ仲間と一緒に学んでほしい」とエールを送った。
今後は月に1回、日本協会職員から、キャリア選択やラグビーと国際協力、英語による国際交流などオンラインで講習を受け、12月に修了式が行われる。