NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安(以下、SA浦安)とNTTドコモレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)の再編に伴う、新チームの発表会見が7月27日におこなわれた。
NTTの新事業会社「NTT Sports X」が運営する、新チームの名称は「浦安D-Rocks(ウラヤスディーロックス)」。
SA浦安を引き継ぐ形で、リーグワン2022-23はディビジョン2からスタートし、活動拠点はアークス浦安パークとなる。
チームの組織体制やスコッドも発表され、社長に下沖正博氏(元RH大阪GM)、GMに内山浩文氏(元SA浦安GM)が就く。内山GMは「ともに宮崎県出身で、先輩後輩の間柄。一緒に仕事をするのが楽しみです」と笑顔を見せた。
また、RH大阪のHCだったヨハン・アッカーマン氏がHCに、SA浦安のHCだったロブ・ペニー氏が強化アドバイザーを務める。
「(アッカーマンHC就任は)2シーズン前に低迷気味だったチームを飛躍的に強化させたことを一番評価している」と内山GM。「ロブは日本での指導も長い。チームビルディング的要素、チームを俯瞰的に見てアドバイスできるのが彼の良さでもある」と2人の役割を説明した。
選手は58人(3ページ目に選手一覧)。SA浦安の40人、RH大阪の16人、そして東芝ブレイブルーパス東京から新加入した2人(HOアサエリ サミソニ、NO8シオネ ラベマイ)で構成される。
4月で41歳になったトンプソン ルークの現役続行も明かされ、「本当に楽しみ、また応援してね」とオンラインを通じてファンにメッセージを送った。
注目された新チーム名は、SA浦安の29字から9字とコンパクトになった。「みなさんのご期待に応えられたかな」と内山GM。
企業名である「NTT」も外れた。「NTTシンボルチームなので、あえて(NTTを)つける必要はない。地域にしっかりと根付いた活動をしていきたい」と下沖社長は話した。
2022-23シーズンのホストゲームは、秩父宮、仙台、大阪で開催予定。地域名から外れた東京ベイエリアについても、「フレンドリーエリアとしてこれからもラグビーの普及に取り組みたい」と下沖社長は語った。
●チーム名の由来
Dには「Dynamic(躍動)」、「Dream(夢)」、「Delight(歓喜)」が、
Rocksには岩のような力強さと、略語である【ROX】から「すごい」「最高」という意味も込められており、一枚岩のチーム力でファンを感動・魅了するチームであり続けます。
●チームエンブレム・ロゴ
燦然と光り輝く「一枚岩」として結束したチームパワーをイメージし、
たゆまぬ努力と試練の先にある「栄光」を掴むシンボル化しています。
●新ジャージー
これまでリーグワンにはない「ネイビー」を使用し、チームカラーを基調とした生地の中に、レッドハリケーンズ大阪の赤いハリケーンとシャイニングアークス東京ベイ浦安の光拡散を融合させています。熱気を帯びたハリケーンのように、あらゆるものを巻き込み、上昇させ、稲妻とともに大きく広がり、拡散されていくイメージでデザインが作成されました。
内山GMはチームの強化方針として「安定的・継続的に勝てるチーム作り」を掲げ、2022-23シーズンでのD1昇格を「マスト」とした。そして2023-24シーズンを「飛躍と定着の準備」期間とし、2024-25シーズンでD1史上最高位(過去最高は5位)を目指す。
「(昨季で)D1で戦う難しさを実感しました。そのなかで成績のアップダウンをなくし、安定して強化を進め、継続して勝つことでファンに応援されるチームを作る。2024-25シーズンでなんとしてもベスト4の壁を破りたい」と内山GM。下沖社長も「5年以内に優勝を目指したい」と意気込んだ。
強化策のひとつとして掲げたのが海外クラブとのパートナーシップ提携だ。2019年からつながりのあるフランス・TOP14のルー・ラグビーに加えて、スーパーラグビーのウェスタン・フォース、韓国の現代グロービスともパートナーシップを結んだ。かつて山田章仁も在籍した、MLRのシアトル・シーウルブズとも現在交渉中だ。
内山GMはパートナーシップの目的を3つ挙げる。ひとつはクロスボーダーの大会の実施、二つ目はゲームタイムの確保を含めた選手の育成、三つ目はW杯の開催地として強化策が進んでいるとみられるルー(仏)、フォース(豪州)との積極的な情報交換だ。
フォースとはすでにフレンドリーマッチの開催が決まっており、浦安パークで11月6日、12日におこなわれる。
現代グロービスとの連携は、「アジアラグビーの強化・発展への支援につながる」と内山GMは言う。「練習映像のシェアやキャンプの誘致等で関係性を深めたい」と話した。
チーム全体での始動は8月下旬を予定。社員選手が8月上旬から集まり、先にスタートを切る。
「まずは文化づくり。お互いの良さを出し合って、新しい戦い方のスタイルを作る。一番大事になるのはコミュニケーション、相互理解。一番難しいけど、一番取り組まなければいけないところです」(内山GM)
事業会社であるNTT Sports Xの資本金は25億円(出資比率:NTTドコモ40%、NTTコミュニケーションズ40%、NTT20%)で、社員は47人。
うち社員選手の27人はまずNTT Sports Xに出向となり、そこからNTTグループへ研修という形で配属された(7月1日~)。
下沖社長含めた事業スタッフ20人は全員がSA浦安とRH大阪のスタッフで、新規の採用はない。経営企画、総務、財務、ガバナンス等をおこなうクラブマネジメント部に4人、チーム強化をおこなうチームマネジメント部に内山GMら8人、スポンサーやチケット販売等をおこなうマーケティング部に7人が配属されている。
「スポンサーはNTTグループ以外で1億円以上を目指したい」と下沖社長は話し、その他の短期的な目標、ファンクラブ等については後日発表するとした。
●チームビジョン
革新的なチャレンジを続け、社会・地域・会社に多面的な価値を与え続けるスポーツ界のトップランナーをめざす。
・世界に誇れる革新的なクラブへ。(事業・強化共にリーグNo.1)
・地域に愛され続けるクラブへ。
・社会に変化をもたらすクラブへ。
●選手スコッド(58名)*()は前所属先
PR
庵奥 翔太(SA浦安)
上田 竜太郎(SA浦安)
金 廉(RH大阪)
齊藤 剣(SA浦安)
三宮 累(SA浦安)
竹内 柊平(SA浦安)
平井 将太郎(SA浦安)
柳川 正秀(SA浦安)
西川 和眞(RH大阪)
HO
アサエリ サミソニ(BL東京)
セコナイア・ポレ(SA浦安)
藤村 琉士(SA浦安)
フランコ・マレー(RH大阪)
三浦 嶺(SA浦安)
LO
金 嶺志(SA浦安)
小島 佑太(RH大阪)
佐藤 大樹(SA浦安)
サム・ジェフリーズ(SA浦安)
タイラー・ポール(RH大阪)
トンプソン ルーク(SA浦安)
ローレンス・エラスマス(RH大阪)
FL
ヴィンピー・ファンデルヴァルト(RH大阪)
大椙 慎也(RH大阪)
金 正奎(SA浦安)
ジェームス・ムーア(SA浦安)
繁松 哲大(RH大阪)
中島 進護(SA浦安)
マッケンジー アレキサンダー(SA浦安)
松本 健留(SA浦安)
リアム・ギル(SA浦安)
NO8
シオネ ラベマイ(BL東京)
ジミー・トゥポウ(SA浦安)
坂 和樹(SA浦安)
ブロディ・マカスケル(SA浦安)
SH
飯沼 蓮(SA浦安)
グレイグ・レイドロー(SA浦安)
ティアン・メイヤー(RH大阪)
西橋 勇人(SA浦安)
SO
エルトン・ヤンチース(RH大阪)
オテレ・ブラック(SA浦安)
松尾 将太(SA浦安)
CTB
石橋 拓也(SA浦安)
サミソニ・トゥア(RH大阪)
シェーン・ゲイツ(SA浦安)
トゥクフカ トネ(SA浦安)
本郷 泰司(SA浦安)
リサラ シオシファ(RH大阪)
WTB
石井 魁(SA浦安)
石井 勇輝(SA浦安)
石川 貴大(RH大阪)
シルヴィアン・マフーザ(SA浦安)
松本 純弥(SA浦安)
ラリー・スルンガ(RH大阪)
FB
石田 大河(SA浦安)
イズラエル・フォラウ(SA浦安)
羽野 一志(SA浦安)
安田 卓平(SA浦安)
髙野 祥太(RH大阪)