7月16日から3日間、長野・菅平高原のサニアパークで開催された第9回全国高校7人制ラグビー大会が同18日に終わった。
カップ(最上位)トーナメントを制したのは報徳学園(兵庫)。ファイナルで東福岡(福岡)を31-17と破り、同大会で初の頂点に立った。
春の選抜大会に続いて全国大会を制した。
報徳学園は、同日午前中におこなわれた準決勝で苦しんだ。
後半5分、東海大大阪仰星に逆転トライを許し、7-12とリードされる苦しい展開だった。
しかし、7分に迫る時間帯に村田大和のトライで追いつき、伊藤利江人の勝ち越しコンバージョンで勝ち越す(14-12)。そして、僅かな残り時間に伊藤が1トライ、1ゴールを追加。
21-12の逆転勝ちで勢いをつけ、決勝に駒を進めた。
ファイナルでも、この大会で主将を務めた伊藤がチームを引っ張った。
試合開始直後に得たPKから仕掛けたのが伊藤主将だ。素早い仕掛けから味方を前に出した後、ふたたび自らパスをもらい、得意のステップでディフェンダーを抜き去る。先制トライを奪い、自分でゴールキックも決めた。
報徳学園は何人も好ステッパーがいた。
リスタートのキックオフボールを受けて攻める東福岡のアタックを、判断よく前に出て止めてボールを取り返すと、アタックを重ねる。
最後は、味方のオフロードパスに反応した海老澤琥珀が好走。トライラインを越えた(2分。Gも成功)
4分、東福岡にトライを許すも(高木城治のキックチェイスから好機をつかみ、最後は舛尾緑がトライ、Gも成功)、報徳学園は攻め続けた。
5分にワイドに攻めて石橋チューカ、7分にはキックオフボールキャッチから竹之下仁吾がそのまま走り切る。
26-7とリードを広げて前半を終えた。
後半は1分。2分と、東福岡に連続してトライ(ともに永井大成)を許した報徳学園だったが、26-17だった5分に伊藤主将の仕掛けから、石橋がインゴールに入って31-17。そのままのスコアでフルタイムのホイッスルを聞いた。
頂点に立った報徳学園・西條裕郎監督は、「ベスト4以上に進んだ過去2回は跳ね返されてきたので、(優勝を)いつかしたいと思っていました。報徳学園でも優勝できる、兵庫県のチームも優勝できる。ラグビーのすそ野の拡大のために、7人制が始まった。うちもその可能性を実現できて、証明できたことが一番うれしい」と話した。
表彰式では各グレードのMVPも発表された。
カップで最も価値ある選手と評価されたのは報徳学園・伊藤主将。プレートでは常翔学園の田中景翔、ボウルでは青森山田の小澤龍太郎と、それぞれのトーナメントで優勝したチームから選出された。