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リーグワン初年度を振り返る。識者座談会[ラグリパYouTube]

2022.07.12

 思えば、開幕戦の中止から始まった新しいリーグ。
 ピッチの中の質は間違いなく上がり、多くのファンを喜ばせました。ですが、 運営面ではさまざまな問題が露呈しました。
 今回は取材量豊富な3記者がリーグワン初年度を振り返り、 それぞれの「ベスト」を語ります。 *6月2日に収録

 テーマは大きく7つです。
①リーグワン全体をざっくり採点
②決勝戦、プレーオフについて
③アワードについて
④ベストマッチ
⑤ベストコメント(選手たちの印象的なコメント)
⑥各チームの運営について
⑦リーグの運営について

 座談会の模様はラグビーマガジン8月号(6月24日発売)でも紹介しています。そちらと合わせてご視聴ください。

 少しリーグワンが終わってから時間が空いてしまったので、読者の方々に思い出してもらう意味も込めて、編集部からも2つほどテーマを振り返ろうと思います。

 まず④ベストマッチですが、初めてラグビーの試合がおこなわれた静岡・IAIスタジアム日本平での静岡ブルーレヴズvs埼玉ワイルドナイツの一戦をチョイスしました。スクラムでも優勢に映ったレヴズが、ついにワイルドナイツに土をつけるかと思いきや、最後の最後で逆転。痺れる展開も最後の逆転も、今季のワイルドナイツを象徴するような劇的勝利でした。

 もう1試合ピックアップしてよければ、座談会では挙がらなかったディビジョン2の試合から。武蔵野市陸上競技場での日野レッドドルフィンズと三重ホンダヒートの一戦です。後半戦初戦にして、負けると3部との入替戦に進むのが濃厚になる対戦で、こちらも痺れる展開に。最終的には20-19でヒートが逃げ切りますが、ノーサイドの笛が鳴った直後、両チームの選手が膝を突いていたのが印象的でした。

 ⑤ベストコメントは、座談会でもたくさん触れていた横浜キヤノンイーグルスの沢木敬介監督の言葉をチョイス。
「まだ試合は残っているので、今日負けたからといって沈んでいる”カッコ悪いチーム”にはなりたくない。次に向けて成長できるゲームをしたい」
 プレーオフ進出を逃した試合直後の会見でのコメントです。真っ直ぐな言葉は聞いているこちらにも刺さりました。

 シャイニングアークス東京ベイ浦安戦での、静岡ブルーレヴズ・堀川隆延監督のコメントも印象的でした。
「『こうなったらこうなるだろう』というこれまでのセオリーを覆すような選手たちの判断力が素晴らしかった。コーチを始めて15年くらいになりますが、僕自身まだまだ未熟だなと本当に考えさせられる試合でした」
 セオリーでは「エリアを取ってディフェンス」という場面で、SOサム・グリーン選手を起点に自陣からつないでトライまで持っていった後半40分のシーンについてのコメントです。
 2015年W杯、南アフリカ戦で最後、選手たちがスクラムを選択したように、どんなに突き詰めても最後は現場の判断が大切なんだと思わせてくれる言葉でした。

 このような感じでリーグワンを思い出しながら、識者3人の座談会をご視聴いただくと、楽しさが広がるかもしれません。(文/明石尚之)

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