7月3日、ジャパンラグビートップイーストリーグ2022春季交流戦トーナメント準決勝がおこなわれた。
ヤクルトレビンズは横河武蔵野アトラスターズに47-17で圧勝し、セコムラガッツは31-29で東京ガスに競り勝った。
次週7月10日、決勝:ヤクルト×セコム(ヤクルト戸田グラウンド)、3・4位決定戦:東京ガス×横河武蔵野(東京ガスグラウンド)がおこなわれる。
いずれも有観客試合を予定している。
ヤクルト×横河武蔵野の舞台となった横河武蔵野グラウンドでは、序盤からヤクルトが早いテンポの連続攻撃で主導権を握った。
前半6分、先制トライを挙げ、好走で勝利を引き寄せたWTB沢村舜は晴れやかに語る。
「WTBとして久し振りに出場しました。外のスペースを走り切ってトライを獲って、今日の自分としての大きな目標をクリアすることができました。チームとしても、暑い中みんなやるべきことをやって、取るべきところでトライを獲れたので、練習してきたことが全部出せたと思います」
昨季王者としての誇りを持って戦っている。
そんな戦い振りだった。
横河武蔵野CTB木元慎也は、「完敗です。アトラスターズがやりたかったラグビーが全然できなかった。ヤクルトさんのやりたいラグビーが、まんまとはまったなというイメージです。(ヤクルトの)BKとFWが一体となったアタックが本当に素晴らしかった。勉強させてもらいました」と素直に負けを認めた。
16分、ヤクルトは相手陣内22メートルライン付近のラインアウトからボールを動かし、WTB堀川太一が抜けてリードを拡大。FB大城海のゴールも決まり12-0とした。
21分、横河武蔵野はSO村上晴太がPGを成功させ12-3とする。
続く34分、ヤクルト陣内22メートルライン上のスクラムからフェーズを重ね、NO8ジェイデン・トア・マックスウェルが突破。SO村上のゴールキックも成功し2点差(12-10)に迫る。
しかし流れは変わらず、37分、WTB沢村がビッグゲインでチャンスを作ると、サポートしたFLヤヌ・ベンターがパワーでゴールラインを割った。コンバージョンも成功し、19-10とした。
43分、WTB沢村が40メートルを駆け上がると、横河武蔵野ディフェンスは追いつけず得点を許す。
ゴールはFB大城が確実に蹴り、26-10で前半を終えた。
後半3分、ヤクルトがラインアウトモールで押し込み、HO下澤正浩がフィニッシュ。FB大城のコンバージョンも決まり、33-10とリードを広げる。
12分、横河武蔵野LO酒井亮八が相手ゴール手前のラックからピックアンドゴーで左中間にねじ込んだ。SO衣川翔大のゴールも決まり33-17とする。
19分、ヤクルトは再びラインアウトモールで押し込み、HO下澤が締めた。FB大城のコンバージョン成功で40-17と引き離した。
インジャリータイムに入り、横河武蔵野がボールを支配し攻め込むも、反撃はそこまでだった。
激しいタックルに遭い、弾いたボールを相手ゴール10メートル手前付近でWTB沢村に奪われ、WTB土井將聖が約60メートルを独走。中央を突き抜け、横河武蔵野の挑戦を締めくくる。
ゴールキックもクロスバーを越え、47-17の圧勝となった。
この試合では両チームの2022年度ルーキーが公式戦デビューを果たした。
横河武蔵野の皆川祥汰は、本来CTBだがWTBとして出場。試合前、「そこまでWTB経験があるわけではないのですが、チームの戦術的にはWTBの方がフィットしているのかな、と。練習をしていく中で感じていました」と話していた。
試合後は、「今日は自分の強みが出せず、反省点ばかり残る試合となりました」と肩を落とした。
ヤクルトLO臼田湧人は明大出身。182センチ、91キロの23歳は、「試合に出られて嬉しいです。まだチームのことを理解できているわけではないのですが、そこはエナジーでカバーして、後発メンバーとしてチームを鼓舞しようと意識しました。最低限の仕事はできたかなと思います」。
優勝に向けチームの起爆剤となれるか、プレーぶりが注目される。
横河武蔵野のルーキーPR山本渓太とは國學院久我山の元チームメイト。
「(横河武蔵野には)同期の山本のほかに先輩もいっぱいいます。一緒にプレーした仲間と試合できるというのは凄く嬉しいです」と満面の笑みで語った。
※試合の動画は、横河武蔵野アトラスターズの公式YouTubeチャンネルでご確認ください。