7月2日、15時5分に愛知県・豊田スタジアムでキックオフの日本代表vsフランス代表。試合2時間前には、会場内でルールに関する記者会見が行われた。
内容は、7月1日から実施開始の「世界的試験実施ルール」について。ウルグアイ代表との2戦では適用されなかった主に三つの試験実施ルールがフランス戦から適用されている。これに対して、日本ラグビー協会が説明をし、記者の質問に答えた。スピーカーには、日本協会ハイパフォーマンス部門レフリーマネージャーの原田隆司氏。
主な三つの試験実施ルールは次のとおり。ただし、このルールはエリートラグビー(各国プロリーグ、国代表レベル)で採用されるもの。
a)スクラムにおけるブレーキフット
b)ウォーターキャリアなどピッチ上のスタッフの動きについて
c)TMOの運用について
三つのポイントについてそれ見ていくと
a)スクラムにおけるブレーキフット
スクラムを安定して安全に組むために、HOは片方の足を前に出して、スクラムの自重を支えられるようにコントロールすることを義務とする(第19条内:「フッカーは、安定性を高め、軸方向への負荷を避けるため、足は「ブレーキフットの位置に置かなければならない」)。HOが足を前に出さず安定が失われると反則となる。
このブレーキフット義務化は安全性確保、選手のウェルフェアの要素が大きい。レフリーのコンテスト合図にあたる「セット」のコールの前に、HOが自分の首を相手の肩に当て、つっかえ棒にしておいて組み合うプレーが、エリートレベルで常態化していた。選手の健康を脅かすケガにつながり得るプレーとして、これをさせず、選手たちが自重で立ち、安定してスクラムを組めるように、ブレーキフットをHOに求めた。HOがこれを怠った場合は、相手にFKが与えられる見込み。
b)ウォーターキャリアなどピッチ上のスタッフの動きについて
ウォーターキャリアは、レフリーが定めたウォーターブレーク以外の時間に、フィールドに入って選手に給水させることはできない。ウォーターブレークはハーフごと二度を原則とする。
ウォーターキャリアーをコーチなどに務めさせて戦術的に活用することを抑制する狙いもある。ウォーターブレークはハーフに2回とされるが、天候などによって、ハーフごともう1回ずつ増やすことも可。今回のフランス戦では前後半とも10分、20分、30分をめどに行うことが事前に申し合わせてある。
10分おきのウォーターブレイク。「気候条件について不平不満を述べる者はいません。しかし、安全の考慮は重要」。フランス代表、最善の準備を経て第1テストマッチへ
c)TMOの運用について
TMO(テレビ・マッチ・オフィシャル)からのレフリーに対する進言は、明らかな判定の疑義がある場合に限るとする。
7月1日実施開始の世界的試験実施ルールについては下記の通り(日本ラグビー協会)
https://www.rugby-japan.jp/news/51345