1年2か月後に迫ったラグビーワールドカップ2023へ向けて強化を進める日本代表が、同大会のホスト国で優勝候補とされる世界ランキング2位のフランス代表とテストマッチを戦い、奮闘したが、倒すことはできなかった。7月2日、気温35度近い厳しい暑さとなった愛知の豊田スタジアムで対戦し、23-42で敗れた。
先制したのは、今年のシックスネーションズで全勝優勝した欧州王者のフランスだった。
立ち上がり、日本は自陣深くでプレッシャーをかけられ、ボールを失ってしまう。アタックチャンスを得たフランスは前半2分、中央のスクラムからボールを動かし、WTBダミアン・プノーがインゴール右に飛び込んだ。優秀なゴールキッカーであるFBメルヴィン・ジャミネがコンバージョン成功で加点。
対する日本は6分、新型コロナウイルスの検査で陽性反応が出てメンバーから外れた山沢拓也に代わり、10番をつけた李承信がペナルティゴール(PG)で3点を奪い返した。
日本はさらに14分、テンポのいい連続攻撃でゴールに迫り、NO8テビタ・タタフがパワーで押し切り、逆転トライを挙げた。コンバージョンも成功で10-7。
その後、両チームはPGでスコアボードを動かす。フランスのジャミネが安定したキックで2本決めたのに対し、日本は李が約50メートルのショットを成功し、13-13で折り返した。
しかし、今回来日したのは若手も多いスコッドとはいえ、欧州王者のフランスは後半に地力を発揮した。
45分(後半5分)、モールで22メートルライン内に入ってアドバンテージを得ると、ボールを動かしてSOマチュー・ジャリベールがディフェンスを抜け、WTBマチス・ルベルにつないで勝ち越しトライとなった。
その後、両チームともPGで得点後、フランスはさらに58分、ラインアウトからのムーブでCTBヨラム・モエファナがSO李のタックルをはね飛ばして抜け、次々とボールをつないでWTBプノーがトライゲッターとなった。
フランスは勢いづき、61分にはモエファナがキックを巧みに使ってトライ。
日本はエラーや反則が続くようになり、68分にも自陣深くに入られ青いジャージーの塊に押し込まれた。
点差を広げられてしまった日本だが、それでも最後までチャレンジし続け、試合終了間際に攻め込み、WTBシオサイア・フィフィタがトライを取り切って次戦につなげた。
日本代表のキャプテンであるHO坂手淳史は試合後のインタビューで、「率直に悔しい。まだまだ修正できる点はたくさんあると思う。スキルのミスは多々あった。だが、自分たちのやろうとしているラグビーはよくできていたと思うし、強みをさらに磨けるようにやっていきたい。来週、リベンジできるように、いい準備を続けたい」とコメントした。
両チームは1週間後の土曜日、国立競技場で再戦する。