ラグビーリパブリック

日本代表で昇格即ベンチ入りへ。シェーン・ゲイツが乗り越えた試練。

2022.07.01

6月18日のウルグアイ戦で日本代表の13番をつけ奮闘したシェーン・ゲイツ(撮影:松本かおり)


 チーム内のウイルス禍に伴い、急遽、ベンチ入りが叶うか。

 ラグビー日本代表で6月30日に追加招集されたばかりのシェーン・ゲイツが、7月2日のフランス代表戦でリザーブに登録されそうだ。前日、会場の愛知・豊田スタジアムでの最終調整に加わる。

 SOで先発予定だった山沢拓也に新型コロナウイルスの陽性反応が出て、もともと途中出場をうかがうはずだった李承信がスターターに転向される見込み。その場合、空席となった22番にはゲイツが入るのだ。

 身長183センチ、体重95キロの29歳。南アフリカから来日して7年目に突入のCTBで、堅守と好判断が光る。ワールドカップ日本大会のあった2019年から日本代表入りが期待され、昨年、相次ぐけがを乗り越えてテストマッチデビューを果たしたばかりだった。

「前回のワールドカップ直前にも選出してもらえれば…と思ったが、けがの状況でそうなりませんでした。『ラグビーではそういうこともある』と受け入れ、ハングリーさを保って、またラグビーへ戻ろうと意識してきました」

 主将を務めたNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安は、リーグワン1部から降格。NTTグループの再編で新設されるクラブは2部で再出発することとなり、ゲイツ自身も昨夏以来となる日本代表復帰へハードルが課された。

 本隊が6月3日に宮崎合宿を始めるなか、同時並行で大分合宿をおこなったナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)へ参加。宮崎組へ昇格できるかどうかは、代表予備軍にあたるNDSでの働き次第となった。

 6月19日以降のNDS解散時は、いったんそのチケットを逃した。しかし、選手のコンディション不良が相次ぐなかで代役を託された。

 ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ、攻撃を担当するトニー・ブラウン アシスタントコーチへは、かねて「本当に素晴らしいコーチ」と敬意を示していたもの。スペースにキック、パスを配してスピード感をつけるチームの戦法を、信じて遂行したい。

「トニーには『自分のゲームをやろう。そのためには、チームのストラクチャーにフィットしなくては』と言われました。周りと連係していくことを意識します」

 守ってはジョン・ミッチェル新アシスタントコーチが唱える通り、前に出てのダブルタックルとジャッカルで向こうの攻めを断ちたい。相手を自軍の土俵へ引きずり込むべく、献身する。

フランス戦を前に調整するシェーン・ゲイツ(撮影:松本かおり)
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