ヨーロピアン・プロフェッショナル・クラブ・ラグビー(EPCR)は6月上旬、主催するハイネケン・チャンピオンズカップとEPCRチャレンジカップに、来季から南アフリカのチームが新たに加わると発表した。
この画期的な拡大によってラグビーの地図は変わり、ヨーロッパの最高峰とされたタイトルがアフリカに渡る可能性も出てきた。
大きな変化に踏み切ったEPCRのドミニク・マッケイ会長は、「南アフリカのチームは非常にエキサイティングな南半球のラグビーをもたらし、世界クラスの選手たちや幅広い新しい観客を招き、大会をグローバルクラブラグビーの頂点としてさらに発展させることができる。ゲームと大会を成長させ、リーグに強力なリターンを提供し続け、ファンに対してこれまで以上に高い水準の興味をそそる試合を生み出すという、私たちのビジョンを実現するための重要な一歩だ」とコメントしている。
南アフリカには130年以上の歴史を持つ国内リーグ(カリーカップ)があり、ラグビーがプロ化されてからはそれに加え、トップクラブの選手たちは、同じ南半球のニュージーランドやオーストラリアなどのチームとともにスーパーラグビーで25年間戦ってきた。しかし、2020年9月、南アラグビー協会はスーパーラグビーからの撤退を発表し、時差が少ないヨーロッパへ舞台を移してアイルランド、スコットランド、ウェールズ、イタリアのクラブチームと一緒に競う新リーグのユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ(URC)に2021年から参戦している。そして、2021-2022シーズンのURCでは、南ア勢4チームのうちライオンズ以外の3チーム(ストーマーズ、ブルズ、シャークス)がプレーオフに進み、大会ドリームチーム(ベストフィフティーン)に選ばれたのは15人中10人が南アクラブの選手という圧倒的な存在感を見せた。
南アラグビー協会のヨリー・ルーCEOによれば、今回のEPCR大会参加実現のために、スーパーラグビーが崩壊しかけた2年以上前からプロセスを開始していたという。
計画が実を結び、南ア勢からは上記4チームのほか、ブルームフォンテインを拠点とするチーターズもEPCRに招待され、チーターズはライオンズとともに来季のEPCRチャレンジカップに出場することが決定。URCでトップ8入りしたストーマーズ、ブルズ、シャークスはハイネケン・チャンピオンズカップに参戦することになった。