準決勝までにトライの山を築いた相手のエース、ニア・トリバーを走らせなかった。
6月4日から三重で開催された『太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2022第3戦・鈴鹿大会』の決勝が同5日におこなわれた。
ながとブルーエンジェルス(以下、NBA)が東京山九フェニックス(以下、フェニックス)に35-7と完勝し、頂点に立った。
両チームともに、頂上決戦まで危なげなく勝ち進んだ今大会。
2日間に渡る戦いの中で、5試合目でベストパフォーマンスを出した方が勝った。
NBAは、決勝の立ち上がりに最高の集中力を見せた。
前半1分に生まれた先制トライは、敵陣に蹴り込んだ試合開始のキックオフ後、相手ボールを取り返す圧力をかけ続けた結果だった。
PKから速攻を仕掛けられてもブレイクダウンで反則を誘う。すぐに攻撃に転じ、バティヴァカロロライチェル海遥が前へ出る。アカニシ・ソコイワサにつないでインゴールに入った。
5分の追加点は、相手反則で得たPKから攻め切った。
自陣からボールを大きく動かし、オフロードパスを混ぜながら前進する。最後は左外でパスを受けたパラキゆきが走り切った。
才能豊かな選手たちが多く揃う。
しかし、高い攻撃力の発揮は、強いディフェンスがあってこそのものだった。
前半、フェニックスがスクラムから攻めたシーンがあった。左に大きく開いたスペースに決定力あるトリバーを置いた。
パスアウトされた球がエースに渡る。しかしNBAのトイメンはファーストタックラーとしての役割を果たし、すぐに応援のディフェンダーが駆け寄った。
最後まで強力ランナーを走らせなかった。
パラキ主将は、「特に(トリバーを)マークするということでなく、全員で守ることを意識しました」と振り返った。
「ステイ・イン・ア・モーメント。一瞬でも目を閉じたら、試合は終わってしまう。いまやるべきことをやり続けようと、みんなに言いました」
14-0で入った後半も、先手を取って21-0に。
1トライを許すも、その後2トライを追加して、最後まで自分たちの時間を維持し続けた。
ここまでの3大会すべてで優勝チームが変わる激戦の今シリーズは、6月18日、19日の青森・弘前大会が最終戦。初めて大会が開催される場所で年間王者が決まる。
3大会が終わったところで、獲得ポイント56のフェニックスが首位に立ち、追うNBAが54。48のYOKOHAMA TKM、46のPEARLSにも、美酒を味わう可能性は残されている。
2週間後の決戦に向け、それぞれのチームが武器を研ぎ続ける。