ラグビーリパブリック

クーパーにプレーヤー・オブ・ザ・シーズン賞。仲間やファンへ「旅はまだ続きますよ」

2022.05.31

自身もライナーズで成長し、オーストラリア代表復帰を果たしたクウェイド・クーパー(撮影:松本かおり)


 ジャパンラグビーリーグワンに所属する全チームの選手によって選出する賞、『プレーヤーズ・チョイス・プライズ』が新設された。スタッツだけでは表れない、選手たちが直に感じたプレーや活動に対して敬意を表し、表彰するもの。今年は全24チームの全選手を対象に投票を依頼し、回答があった506名の投票結果を基に選出された。

 対戦相手として、最も苦しめられた選手に贈られる賞『プレーヤー・オブ・ザ・シーズン』は、ディビジョン1ではMVPにも輝いた堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)が受賞した。

 ディビジョン2では、花園近鉄ライナーズの優勝に貢献したクウェイド・クーパーが選ばれた。オーストラリア代表の司令塔でもあるクーパーは、表彰式は欠席だったが、「このような賞をいただき恐縮しています。ラグビーはチームスポーツとはいえ、個人で認められるのは嬉しいものです。ライナーズは今年大きく成長しました。チームを代表してこの賞を受け取らせていただきたいと思います。チームメイト、スタッフ、そしてもちろんファンの皆さん、一緒に頑張ってくれてありがとう。これから、旅はまだ続きますよ」とコメントを寄せた。

 ディビジョン3の同賞には宗像サニックスブルースのプロップとして活躍したパディー・ライアンが受賞。「選手のみなさんの投票で選ばれる賞はいつでも光栄なことです。今シーズン、リーグワンでの試合はとても楽しくプレーすることができましたが、今シーズンで宗像サニックスブルースが活動休止になってしまうのは悲しいことです。来シーズン、そして、これから先も、すべてのチームの健闘を願っています」とメッセージを送った。

スクラムだけでなく、ボールキャリーもタックルも力強いパディー・ライアン(撮影:Hiroaki.UENO)
グリーンジャージーの12番がマイケル・リトル(撮影:小山真司)

 そして、数字には表れない、実際に受けたタックルから選ぶベストタックラーに贈られる『ゴールデンショルダー』賞は、ディジョン1では東京サントリーサンゴリアスの新人フランカー、山本凱が受賞した。4月24日のブラックラムズ戦でデビューを果たし、プレーオフの準決勝にも出場した山本は、「サンゴリアスの練習の強度が高いので、その強度に慣れることで、しっかり試合でも物怖じせずにタックルすることができたかなと思います。来シーズンはもっとたくさんの試合に出場して、もっとたくさんタックルをできるよう頑張っていきたいと思います」とコメントした。

 ディビジョン2では、野中翔平(花園近鉄ライナーズ)とマイケル・リトル(三菱重工相模原ダイナボアーズ)が受賞し、ライナーズのフランカーでキャプテンも務める野中は、「このようなすばらしい賞に選んでいただけたこと、たいへん光栄に思います。選手が選ぶ、というところにとても価値を感じております。これからも、グラウンドではいい意味で嫌がられ、グラウンド外ではみんなに慕われる、そのような人間になれるよう、精進していきます」とコメントした。

 ディビジョン3では、中国電力レッドレグリオンズのフランカーとして奮闘した森山皓太が選ばれている。

 そして、積極的に社会貢献活動に寄与した選手またはチームに贈られる『社会貢献賞』は、シャイニングアークス東京ベイ浦安が受賞した。遠隔操作型の分身ロボ、オリヒメを使ったラグビー選手と地域の人々をつなぐ新しいコミュニケーションの先進的な取り組みをしており、スポーツの未来への可能性を感じさせたと評価された。