2日間、走りに走った。
今大会通算16トライ(5試合)を奪い、大会MVPに選ばれたニア・トリバーは、勝因を「ディフェンス」と話した。
5月14日、15日におこなわれた太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2022 第2戦 静岡エコパ大会で東京山九フェニックスが頂点に立った。
ながとブルーエンジェルス(以下、NBA)をファイナルで24-12と破った。昨年6月の鈴鹿大会以来2大会ぶり、通算3回目の優勝だ。
トライの山を築いたトリバーが言うように、優勝したフェニックスは防御も良かった。
初日のプール戦3試合はすべて完封勝ち。無失点で3連勝したことでチームに勢いがついた。
ファイナルではNBAに先制点を許した。
タックルを受けて倒れたバティヴァカロロアテザ優海が浮かしたパスを受けた平野優芽に走られる。コンバージョンキックも決められ、7点を先行された。
しかしフェニックスは慌てなかった。
4分過ぎ、自陣に攻め込まれるもターンオーバー。奪い返したボールをワイドに展開すると、トリバーが左サイドを走り切ってゴールポスト下にボールを置いた(Gも決まり7-7)。
前半終了間際には、相手ボールのラインアウトをターンオーバーして展開する。
またもトリバーがスピードで防御を切り裂く。トライラインを越えて勝ち越した(Gも成功)。
14-7とリードして迎えた後半。フェニックスは立ち上がりの時間帯、自陣での反則からトライを許し、14-12と迫られる。
しかし、それでもいつも通りに戦う安定感があった。
追い上げられた直後の時間帯は、自陣で戦った。
しかし、前へ出て守り、ジリジリと相手を下げた。ボールを取り返し、敵陣に攻め入った。
反則で相手にボールを渡し、攻撃に転じられても守りに入ることはなかった。
なかなかボールを手にすることはできなかったが、出足の良さでプレッシャーをかけ続けた。
ラストシーンも攻め込まれたところでターンオーバー。
右サイドに蹴り出し、歓喜の時を迎えた。
この大会でチームを束ねた岡田はるな主将は、決勝で敗れた前大会(熊谷)の反省を踏まえてつかんだ勝利に笑顔を見せた。
「自分たちのプレーができなくなったときも落ち着いて、シンプルにプレーしようと話しました。(大会を通じて)コミュニケーションを取り続けられました」
2019年ワールドカップで日本がアイルランドを倒した巨大スタジアムに、勝利の歌が響いた。
控え選手たちも含めた一体感も、今季のチームが好調に走り続けている理由だ。