東京都ラグビー協会に加盟する国公立大学のラグビーNO.1を決める「2022年度国公立大学体育大会」が開かれている。5月15日は2回戦が一橋大でおこなわれ、東京工業大が一橋大を38-21、東京都立大が32-7で東京外国語大を破り準決勝へ進んだ。
準決勝は5月29日に東工大が東京学芸大、都立大は東京大と対戦する。
この日の第1試合は関東対抗戦Bの一橋大とリーグ戦3部の東工大戦。一橋のキックオフで始まった。
2分、東工大が一橋の反則から敵陣左ラインアウトを得る。3分、このラインアウトを起点にSH井上夏樹(2年、湘南高)が中央へトライを奪い先制した。コンバージョンは主将CTB白石魁(4年、県浦和高)が成功し7-0。
一橋はNO8島田耕成主将(4年、本郷高)が「国公立大会優勝が目標」と話していた。東工大ゴール前に進むもしぶといディフェンスに阻まれた。ようやく27分、ゴール前ラックをHO山本寛太(3年、長岡高)がねじ込んだ。ゴールキックもSO白石稜拓(3年、大宮高)が決めて同点。
お互いに攻め合うも、東工大が46分、左ラインアウトをモールで進みゴール前へ。HO佐々木雄大(4年、国立高)がインゴールへ運んだ。
12-7で折り返すと、後半は東工大ペースで進んだ。7分、大学院2年のFL原田大(佐賀・弘学館高)がまずはファイブポインターとなると、よいゲインを見せていたFL岡村俊吾(4年、浦和高)、26分には、ラグビーを大学で始めた右LO南山孝介(4年、常総学院)がトライラインを越え、31-7と試合を決定づけた。
一橋も疲れの見えた東工大から終盤に2連続トライで追い上げるも、最後は45分、東工大SO石井大智(3年、湘南高)がゴール前こぼれ球からトライを奪い、38-21で終えた。
東工大の白石主将は「後半、バタバタした。学芸大は強豪なので今日の課題を修正していきたい」と話した。
一方、一橋の島田主将は「先日の練習試合でフォワード第1列がけがをした。7月に対抗戦Bの大会があるので準備したい」と前を向いた。
第2試合。東京都立大はリーグ戦3部、東京外国語大は地区対抗大会から昨年度リーグ戦へ移り5部に在籍している。
試合は都立大の大学院1年、FB松本岳人(所沢北高)が魅せた。まずは6分、外大陣22メートル外のラインアウトを順目に運ぶ。松本は外大ディフェンスをかわし右隅へ先制トライを奪う。ゴールキックも松本が担当するが最初のキックは外した。
外大も一人ひとり、腰の低いランでゲインを奪うリーグ戦の順位を感じさせない試合に。
22分、松本がPGを外した。嫌な雰囲気。しかし、都立大はディフェンスが機能した。外大が27分、中央線のスクラムから運ぼうとするも都立大の圧力で後退しつつボールを回す。結果、絡まれ反則を犯した。30分、都立大が右ラインアウト起点から順目へアタック。最後は強豪、石見智翠館高で花園出場歴をもつNO8浅井慧太がポスト右へ仕留めた。松本のコンバージョンで12-0に。
松本は38分に確実にPGを決めると、42分には左隅インゴールへ2本目のトライ、コンバージョンも成功し22-0とリードを広げた。後半も松本は4分にPG、外大がトライ後の37分に中央へハットトリックを奪う活躍。都立大の得点32点中、3T3G2PGで27点をあげた。32-7で終えた。「ハットトリックは去年、リーグ戦の国際武道大以来。良かったです。大学院に入り練習は週1、2回参加になりましたが、コンディションは維持しています」と笑顔だった。CTB青木紳悟主将(4年、川和高)は「タックルが良かった。東大は都立より地力があるが、1対1で勝ちロースコアに持ち込みたい」と次戦をにらんだ。
外大はリザーブが2人で人数的に厳しい状況も善戦した。後半33分、敵陣右中間スクラム。飛ばしパスで左へ送ると、左WTB原田玲於(4年、名古屋高)が左隅へ飛び込んだ。FLで体を張り続けていた大林和真主将(4年、山口・豊浦高)は高校時代野球部で、外大で楕円球に出会った。「外大の課題、やることをやり切れない。トライを取り切れないが出た」。昨年のリーグ戦5部では地区対抗との差をあまり感じなかったという。今季は4部昇格を目指す。