2018年にトップリーグから降格して以来、下部の舞台で戦ってきた花園近鉄ライナーズが5シーズンぶりに国内最高峰のステージに復帰することとなった。
東京・秩父宮ラグビー場で5月8日、リーグワン2022・ディビジョン2の1位~3位決定戦(最終節)がおこなわれ、花園近鉄ライナーズは三菱重工相模原ダイナボアーズを34-22で下し、優勝とともに来季ディビジョン1への自動昇格を決め歓喜となった。
ライナーズは序盤にペースをつかんだ。
前半5分、敵陣深くに入ってラインアウトからモールで一気に押し込み先制。11分にもアドバンテージを得て攻め込み、SOクウェイド・クーパーの長いパスからチャンスを広げてWTB片岡涼亮がフィニッシュし、クーパーがコンバージョン連続成功で14-0とした。
対するダイナボアーズは18分、WTBタウモハパイ ホネティがブレイクダウン後の密集を抜けトライを奪い返す。
しかしライナーズは2分後、テンポよくつないで走力もある大型LOサナイラ・ワクァがゲインし、左外でパスをもらったWTB片岡がタックラーを振り切ってゴールへ駆け抜け、点差を広げた。
23分にダイナボアーズのCTBマイケル・リトルがキックチャージからトライを挙げ、その後、両チームともペナルティゴールでスコアを動かしたが、ライナーズはハーフタイム前にも攻め込み、キックパスを右外で受けたLOワクァが突進してパワーとバネでタックラーを弾き飛ばし、トライ。27-15で折り返した。
逆転優勝の可能性があったダイナボアーズも意地を見せ、58分(後半18分)、敵陣深くに入ってラインアウトから攻め、ロングスローのボールをキャッチしたCTBリトルをFL鶴谷昌隆がサポートしてゴールに迫り、NO8エピネリ・ウルイヴァイティがフィニッシュ。コンバージョンも決まり5点差に詰めた。
しかし、ディフェンスで奮闘を続けたライナーズは大崩れせず、68分にはCTBシオサイア・フィフィタが抜けて力強い走りでゴールに迫り、サポートしたSOクーパーがトライを決めリードを拡大。
その後もダイナボアーズが猛攻でチャンスとなったシーンはあったが、ライナーズは粘り強いディフェンスをし続け、熱戦を制し歓喜となった。
ディビジョン2の3位となった三菱重工相模原ダイナボアーズはまだ昇格のチャンスは残っており、5月下旬におこなわれる入替戦でディビジョン1の下位チームと対戦する。
なお、同日、岩手県の釜石鵜住居復興スタジアムではディビジョン2の4位〜6位決定戦(最終節)がおこなわれ、釜石シーウェイブスが日野レッドドルフィンズに22-19で勝利。
この結果、マツダスカイアクティブズ広島がディビジョン2の最下位となり、ディビジョン3からの昇格を目指す清水建設江東ブルーシャークスとの入替戦に出場することが決まった。
リーグワン2022・デイビジョン2の最終順位は以下のとおり。
1位:花園近鉄ライナーズ(ディビジョン1に自動昇格)
2位:三重ホンダヒート(デイビジョン1・2入替戦出場)
3位:三菱重工相模原ダイナボアーズ(デイビジョン1・2入替戦出場)
4位:日野レッドドルフィンズ
5位:釜石シーウェイブスRFC
6位:マツダスカイアクティブズ広島(デイビジョン2・3入替戦出場)