入替戦出場の可能性を残したままリーグワンのレギュラーシーズン最終戦に臨んだNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安は、勝ってスッキリとディビジョン1残留を決めることはできなかった。5月8日、ユアテックスタジアム仙台でコベルコ神戸スティーラーズと対戦し、34-74で敗れた。
5月7日に予定されていたリコーブラックラムズ東京×NTTドコモレッドハリケーンズ大阪は新型コロナウイルス感染症の影響により中止となり、同試合の今後の対応については未定だが、再試合がない場合、ブラックラムズに付与される勝点数によってシャイニングアークスとの順位が入れ替わる可能性があり、下位(10位)になったチームはディビジョン2で3位となった三菱重工相模原ダイナボアーズとの入替戦に出場することとなる。
仙台での戦い、スティーラーズは前半だけで6トライを挙げ、ゲームの主導権を握った。
序盤に両チームともペナルティゴールで得点し、3-3で迎えた前半11分、スティーラーズは敵陣深くに入って攻め込み、CTBベン・スミスがディフェンス裏に蹴ってインゴールに転がったボールをWTB山下楽平が押さえ、最初のトライを挙げた。
14分には、NO8アタアタ・モエアキオラのビッグゲインからチャンスとなり、その前に力走しサポートについていたLOのJD・シカリングがすばやくリサイクルし、SO李承信がフィニッシュ。23分にはラインアウトからのムーブで、この試合を最後にスティーラーズを退団することが決まっている南アフリカ代表CTBのルカニョ・アムがトライゲッターとなり、仲間たちと喜んだ。スティーラーズは25分にもPKからの速攻で得点。
一方のシャイニングアークスは29分、かつて世界最高のラグビーフットボーラーのひとりと呼ばれたFBイズラエル・フォラウが鮮やかなカウンターランでゴールに迫り、NO8ジミー・トゥポウのトライにつながった。
しかし、流れは変わらず、スティーラーズは34分にも攻め込み、25分にもトライを決めていたWTB山下がキックパスからハットトリックを達成。40分にはシャイニングアークスのラインアウト失敗から赤いジャージーの男たちが攻めに転じ、NO8モエアキオラが力強い走りで中央を突き抜け、前半だけで41-10と大差がついた。
スティーラーズは後半に入っても手を緩めず、身長203センチ、体重117キロのシカリングがキックオフボールキャッチから約60メートル走り切り、今季限りで現役を引退する可能性もある元ニュージーランド代表のベン・スミスもトライを決めるなど、リードを広げた。
シャイニングアークスもセカンダリーホストエリアである仙台でのレギュラーシーズン最終戦でファンの応援にこたえ、後半に4トライを奪い返したが、前半の大量失点が響いた。
なお、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安は今シーズン後、NTTドコモレッドハリケーンズ大阪とともにチームを再編成し、NTTグループのシンボルチームとして生まれ変わることが決まっている。