ジャパンラグビーリーグワンの初代王座を目指し、すでにプレーオフ進出を決め準決勝で対決することが確定していた埼玉パナソニックワイルドナイツとクボタスピアーズ船橋・東京ベイが5月7日、埼玉・熊谷ラグビー場でおこなわれたディビジョン1の最終節で激突し、ワイルドナイツが35-14で“前哨戦”を制した。
前身リーグ(トップリーグ)の2021年チャンピオンであるワイルドナイツは今季、新型コロナウイルス感染症の影響による不戦敗が2試合あったものの、実戦は14戦全勝で2位通過。スピアーズは12勝4敗の3位通過でノックアウトステージに進む。
前半7分、ワイルドナイツはFLラクラン・ボーシェーがブレイクダウンで絡んで相手の反則を引き出し、序盤に負傷で退いた松田力也に替わってSOに入った山沢拓也がペナルティゴール(PG)を決め、先制した。
互いに譲らない激しい攻防が続いたあと、ワイルドナイツは34分に敵陣深くに入ると、ラインアウトからモールを組んでオレンジの塊にプレッシャーをかけ、そこから抜け出したFL大西樹がインゴールに突っ込み、5点を追加した。
対するスピアーズもハーフタイム前、ローリングモールで攻め込んでHO杉本博昭がフィニッシャーとなり、コンバージョンも成功で1点差に詰めて折り返した。
後半、青いジャージーを着たフレッシュレッグのHO堀江翔太らがスクラムやブレイクダウンで奮闘してPGで得点を重ねたワイルドナイツに対し、7点差とされたスピアーズは66分(後半26分)、ハイパントのボールを相手がキャッチミスしたところ、こぼれ球をCTBテアウパ シオネが確保してWTB根塚洸雅につなぎ、トライ。FBゲラード・ファンデンヒーファーのコンバージョンも決まり、14-14の同点となった。
しかし、ワイルドナイツは終盤の戦いに強かった。
71分、敵陣22メートルライン内のブレイクダウンでターンオーバーして攻め込み、すばやくワイドに展開して左外にいたFB野口竜司がトライゲッターとなり、勝ち越す。
75分にはキック&チェイスでプレッシャーをかけ、相手が処理をミスしてインゴールに転がったボールをNO8ジャック・コーネルセンが押さえ、トライが認められた。優れたゴールキッカーである山沢拓也がコンバージョン連続成功でリードを拡大。
そして、78分にはWTB竹山晃暉がインターセプトから独走し、勝負を決めた。
両チームは2週間後の5月22日、東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれるプレーオフ準決勝で再び激突する。