ラグビーリパブリック

ブランビーズでの経験を活かし、サクラフィフティーンの勝利に貢献する。古田真菜の決意

2022.05.01

ミッドフィールドで体を張る。(Getty Images)



 ブランビーズでの経験を発揮し、サクラフィフティーンを勝利に導きたい。
 5月1日のフィジー戦で13番を背にする古田真菜(東京山九フェニックス)だ。

「フィジーは立ってつなぐ。そしてクイックで攻めてくる。それに対してリアクションするのではなく、自分たちからアクションを起こして、やりたいことをさせないようにしないと」

『スーパーW』(豪州版女子スーパーラグビー)のブランビーズに加わり、3月からレベルの高いステージに身を置いてきた。
 代表チームにも選手を輩出するフィジアナ・ドゥルアとの試合には出場できなかったが、情報は持っている。その知識に高めてきたスキルを加え、テストマッチでチームに貢献したい。

 昨秋の欧州遠征メンバーにも選ばれ、3テストすべてに13番として先発した。
 ブランビーズでのプレーは、2021年に予定されていたワールドカップ(以下、W杯)の開催が1年順延となったとき、「大会メンバーに入る、入らないに関係なく、悔いのないように、最高の準備を重ねたい」と、マッケンジーHCに相談したことがきっかけだった。

 同HCからのブランビーズへのコンタクト後、自身でプロモーションビデオなどを作り、アピール。
 その結果、オファーが届いた。

 1月9日に豪州へ入国。3月5日の開幕からスタメン(13番)を勝ち取り、5試合中4戦に出場した。
「いい経験ができた。それをサクラフィフティーンに還元し、勝利に貢献したい」と話す。

 ブランビーズでのパフォーマンスを通し、「ディフェンスを評価された」と手応えを感じている。
 ブレイクダウンでターンオーバーを実現し、信頼を得た。

 スーパーWでの経験を通し、「(海外選手は)パワーはありますが、あらためて日本選手のスキルの高さを感じた」と話す。
「(対戦相手の選手たちは)強い分、孤立するケースがある。サポートの選手も日本ほどはやくない。そこを狙い、ターンオーバーしました」
 状況を見きわめる冷静さがある。

 チームのマネージャーの家にホームステイ。同い歳で、ともに福岡出身、日本代表PRのラベマイ まこと(横河武蔵野アルテミ・スターズ)も同じ屋根の下で暮らし、ブランビーズのチームメートとして戦った。
 そのラベマイもフィジー戦メンバーに入った(ベンチスタート)。ふたり揃って勝利に貢献できたら最高だ。

 海外で感じたのは、日本ラグビーが得意としているプレーが武器になるという点だ。
「スキルを活かし、2対1を作る。スペースに運んだボールを、高いフィットネスを使って攻める。そこは通じると思います」

 そのシチュエーションを作るためにも大事なのが、低く入るタックル。
「自分から仕掛ける。迷うと後手を踏んでしまいます。ボールを取り返し、攻めたいですね」と言う。

 ブランビーズからは、オーストラリア代表に選ばれた選手が何人もいる。5月10日に同代表との対戦を控え、「お互いにやっつけるからね、楽しみだね、と言っています」と笑う。

 その言葉通りにパワーもスキルもある同代表を倒すなら、10月に開幕するW杯へ、チームは勢いを増して進化するだろう。
 まずはフィジー戦に勝利し、自分たちが進むべき道をはっきりと示したい。


Exit mobile version