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クボタスピアーズもプレーオフ進出確定 トヨタヴェルブリッツは逆転勝ちで望みをつなぐ

2022.04.23

5試合ぶりにスピアーズの戦列に復帰し、勝利に大きく貢献したバーナード・フォーリー(撮影:高塩 隆)


 リーグワンの初代王座を目指し、首位の東京サントリーサンゴリアスに続いて、2位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイと3位の埼玉パナソニックワイルドナイツもプレーオフ進出を決めた。

 残りは1枠で、東芝ブレイブルーパス東京、横浜キヤノンイーグルス、トヨタヴェルブリッツの3チームが争う。

 4月23日、埼玉パナソニックワイルドナイツが横浜キヤノンイーグルスとの激闘を33-24で制す数時間前、クボタスピアーズ船橋・東京ベイは東京・江戸川区陸上競技場でおこなわれた第14節で、コベルコ神戸スティーラーズに40-32で競り勝った。

 先制したのは神戸スティーラーズだった。スティーラーズはすでにプレーオフ進出の可能性は消滅していたが、4月17日に亡くなったスティーブ・カンバーランド コーチへの想いを胸に奮闘。
 前半7分、CTB李承信のインターセプトからチャンスを広げ、背番号8をつけたアタアタ・モエアキオラがキックしたボールをFB山中亮平が確保し、WTBアンダーソン フレイザーにつないでトライが生まれた。

 対するクボタスピアーズは12分にラインアウトからモールで押し込みトライを奪い返したが、神戸スティーラーズは16分に自陣からのアタックを継続してSOアーロン・クルーデンがゴールに持ち込み、再びリードを奪った。

 その後、クボタスピアーズがペナルティゴール(PG)で点差を詰めたものの、神戸スティーラーズは37分にもクルーデンのランでチャンスとなり、つないで、クイックリサイクルからLOのJD・シカリングがフィニッシュし、9点リードで折り返した。

 しかし、クボタスピアーズは後半早々、敵陣深くに入って攻め込み、SOバーナード・フォーリーがディフェンスを破ってトライゲッターとなり、反撃のムードを高めた。

 その後、再び9点差とされたが、49分(後半9分)にはPRオペティ・ヘルが力強いボールキャリーでタックラーを引きずりながらトライを挙げ、22-26とした。

 52分に神戸スティーラーズがPGで加点し、7点差とされたクボタスピアーズだが、64分、SOフォーリーがインターセプトからゴールへ走り切り、自らコンバージョンを決め同点とした。

 そして、両チームともPGで加点し、32-32で迎えたリスタート直後の73分、クボタスピアーズのNO8ファウルア・マキシがブレイクダウンでからんで相手の反則を引き出し、ショットチャンスを得る。国際舞台の経験も豊富な元オーストラリア代表のフォーリーがPGを決め、勝ち越した。

 3点リードとなったクボタスピアーズは79分にもフォーリーの力走でゴールに迫り、最後はSH藤原忍がインゴールに突っ込んでトライが認められ、勝負は決まった。


 同日、トヨタヴェルブリッツは静岡・エコパスタジアムで静岡ブルーレヴズと対戦し、苦しみながらも終盤に逆転して18-15で競り勝った。

 74分(後半34分)までリードしていたのは静岡ブルーレヴズだった。
 ホストチームは前半21分にCTBヴィリアミ・タヒトゥアの力強い走りで先制すると、トヨタヴェルブリッツにイエローカードが出て数的有利となった36分にもゴールに迫り、タヒトゥアからクイックパスをもらったWTBマロ・ツイタマがトライを決めた。

 後半も先に得点したのは静岡ブルーレヴズで、47分、敵陣深くでアドバンテージをもらうと、SOサム・グリーンがキックパスを放ち、空中の競り合いでこぼれたボールを拾ったWTB矢富洋則がトライゲッターとなり、12点差をつけた。

 しかし、プレーオフへの望みをつなぐためにも負けられないトヨタヴェルブリッツは、60分、WTB高橋汰地が自陣から駆け上がりスピードに乗って1対1を振り切り、チームを鼓舞する。コンバージョンを決めたSOライオネル・クロニエは、73分のPGも成功し、2点差に詰めた。

 そして、75分にハーフウェイで、静岡ブルーレヴズがラインアウトから展開しようとしたところ、インターセプトを狙っていたトヨタヴェルブリッツのSH福田健太が絶妙なタイミングで飛び出してボールを奪い、ゴールへ走り切り、TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)でオフサイドではなかったことが確認され、値千金の逆転トライ。これが決勝点となり、トヨタヴェルブリッツが競り勝った。

 トヨタヴェルブリッツはこれで勝点41(9勝5敗)となり、5位の横浜キヤノンイーグルスと勝点・勝利数で並んだ。4位の東芝ブレイブルーパス東京は勝点44(9勝5敗)で、残りは2節。


 同日、下部グループ(ディビジョン2・3)では順位決定戦が始まり、愛知・パロマ瑞穂ラグビー場ではディビジョン3の優勝を狙う豊田自動織機シャトルズ愛知が清水建設江東ブルーシャークスに37-10で快勝し、自動昇格へ向けても大きく前進した。

 東京・武蔵野陸上競技場では、ディビジョン2の4位〜6位を争う日野レッドドルフィンズとマツダスカイアクティブズ広島が激突し、ホストチームのレッドドルフィンズが43-17で勝っている。