ジャパンラグビーリーグワンの初代王座を目指し、激しいプレーオフスポット争いが繰り広げられるなか、5位の東芝ブレイブルーパス東京と6位のトヨタヴェルブリッツが4月16日におこなわれた第13節の試合でともに勝ち、トップ4入りへ望みをつないだ。
東芝ブレイブルーパス東京は秩父宮ラグビー場でリコーブラックラムズ東京と対戦し、43-22で勝利。3トライ差をつけたためボーナスポイントも獲得し、総勝点39(8勝5敗)となった。残り3試合で、現在4位である横浜キヤノンイーグルス(総勝点41/9勝4敗)との勝点差は2ポイント。
一方、下位で苦しみ入替戦出場の可能性もあるリコーブラックラムズ東京は3勝10敗(総勝点16)となった。
ブレイブルーパスは立ち上がりよく、開始から1分30秒でNO8山本浩輝が先制トライを挙げると、10分にはラインアウトからモールで押し込み追加点を奪った。さらに、SOトム・テイラーのゴールキックでも加点。
その後、ブラックラムズが8点を奪い返し、流れが変わりかけたが、28分、ハーフウェイから速攻を仕掛けたブラックラムズに対し、ブレイブルーパスのWTBジョネ・ナイカブラがインターセプトして独走し、22-8とリードを広げた。
ブレイブルーパスは、ゲームキャプテンを務めたFLリーチ マイケルなどがハードワークでチームを鼓舞し、後半も先に得点する。
その後、相手にドライビングモールでやり返されたが、ブレイブルーパスは65分(後半25分)にもゴールに迫ると、LOジェイコブ・ピアスがサポートも得てパワーでインゴールにねじ込み、36-15となった。
食らいつくブラックラムズが73分にWTB栗原由太とSOアイザック・ルーカスの鮮やかなパス交換からトライを挙げたものの、3トライ差をつけてボーナスポイントを獲得したいブレイブルーパスは77分、辛抱強くボールをつないでWTB桑山聖生がトライゲッターとなり、最高の勝点5をつかんだ。
同日、トヨタヴェルブリッツは大阪のヨドコウ桜スタジアムで10位のNTTドコモレッドハリケーンズ大阪と対戦し、苦しみながらも38-25で逆転勝ちした。
ヴェルブリッツも3トライ差をつけたためボーナスポイントを獲得し、総勝点37(8勝5敗)となっている。
レッドハリケーンズは3勝10敗(総勝点14)。
前半をリードして折り返したのはチャレンジャーのレッドハリケーンズだった。
ヴェルブリッツがSH茂野海人の好走とSOライオネル・クロニエの粘り強いつなぎなどで先に2トライを挙げたのに対し、レッドハリケーンズは19分、CTB金勇輝のブレイクスルーからチャンスとなり、ゴール前ですばやくリサイクルしてFBラリー・スルンガがフィニッシュ。そして、SO高野祥太がコンバージョンを決めてペナルティゴールも2本連続成功で逆転した。
一方、レッドハリケーンズのハードな守りにも苦しめられ、1点ビハインドで後半を迎えたヴェルブリッツだが、49分(後半9分)にゴールに迫ると、密集でHO彦坂圭克がインゴールに押さえ、トライが認められリードを奪った。
これでリズムをよくしたヴェルブリッツは、57分にも敵陣深くに入ると、ラインアウト後のモールからFL古川聖人が持ち出してトライを決め、貴重な追加点を獲得する。
地元ファンの声援に応えたいレッドハリケーンズは、アキレス腱断裂から復活して今季初めてメンバー入りした日本代表FL/LOのヴィンピー・ファンデルヴァルトが後半途中から出場し、チームを鼓舞したが、66分、ヴェルブリッツがプレッシャーをかけてボールを奪い返し、SH福田健太がゴールへ駆け抜け点差は広がった。
粘るレッドハリケーンズは69分にCTBニック・グリッグが自陣から抜けて50メートル以上走り切り、終了間際にもWTB茂野洸気が5点を奪って会場を沸かせたが、ヴェルブリッツは77分にもトライを挙げていたため、ボーナスポイント獲得となった。