前試合から大きく先発、ベンチメンバーを入れ替えた三菱重工相模原ダイナボアーズは、前節終了時点ですでにリーグ1位通過が確定していた。三重ホンダヒートに敗れた試合を淡々と振り返ったヘッドコーチ(HC)。「今季が成功だったかを決めるのは昇格できるか否かだ。重要なのは次の2試合」。グレッグ・クーパーHCはこの試合もゴールへのプロセスであることを強調した。
4月9日、相模原ギオンスタジアムでリーグワンD2の最終節が行われ、三重Hが16-15で相模原DBを破った。3チーム総当たりで行われるリーグ順位決定戦は4月23日または24日から始まり、1位・相模原DBは初日に、3位・三重Hと対戦する。順位決定後、D2の3チームは、D1との入れ替え戦に臨むレギュレーションだ。
試合の入りから勢いがあった三重Hは、前半19分、31分のPGで6点獲得。前半を三重 6-12 相模原で折り返した。強い風を背に受けて首位チームにチャレンジした三重H、指揮官の上田泰平HCはしかし「前半は風上を意識し過ぎた」と感じていた。風下に回った後半はいつものようにボールを手にして攻める、つなぐラグビーで相手を押し込み、結果2トライ。風下の後半に10点をスコアして、後半35分に逆転を果たした。
三重Hのゲームキャプテンを務めたFL古田凌は、「80分を通じて、チャレンジし続ける姿勢は全員で示せたと思う」。キックを蹴らずに攻めにいくスタイルに自信を深める一戦となった。
一方の相模原DBも、この試合がマイナスに働くことはなさそうだ。副将のPR細田隼都が「すごくポジティブ」とこの日の戦いをとらえた。フレッシュなメンバーの試合経験を蓄え、スコッド全体の力を上げる機会を得たことになる。
2021年春加入のCTB杉浦拓実は前節でリーグワン初出場、初先発。この日も先発で好タックルを見せた。それでも試合後の自己評価は辛口で、モチベーションの高さがうかがえた。
「実戦を経験した選手たちのおかげで、今週からまた練習のレベルが上がる」とは細田副将。相模原DBは昇格に向けて着実に力を蓄えている。